売上高目標を分析しよう


新年を迎えて新たな目標を掲げられた方も多いだろう。「売上高1億円を目指す」と高らかに宣言された方もおられるのではないだろうか。でも大切なのは、その目標を達成するための具体策だ。これがないと、いつも宣言が未達成に終わったり、あるいは宣言したこと自体を忘れることになりかねない。

売上高目標を具体的に考える際、売上高を構成する要素ごとに検討するのが一つの手だ。つまり、売上高=客単価×客数で表されるが、その客単価と客数を目標達成のためにどうするのか、客単価を据え置いて客数を増やすのかなどといったパターンを細部に渡って詰めていくのだ。

客単価をどのように設定するか

客単価は、商品単価×アイテム数で表される。客単価を上げるためには、商品単価を上げるか、アイテム数を上げるか、あるいはその両方かなどのパターンを考える。

例えば、1億円の売り上げ目標を100人の顧客で達成させようとするときその客単価は100万円だが、一人の顧客に対して10万円の商品(サービス)を10回買ってもらうのか、1万円の商品を100回なのかということだ。

どの方法を取るのかは、同じ業界にあってもそれぞれの特徴、得意とするところによって変わる。そして、それによって売り方も変えなければならない。価格がデフレ傾向にあるのなら、それを補うだけのアイテム数も考えなければならない。

リピーターを大切に


また、客数は、新規客+リピーターで表される。100万円の装置を100社に買ってもらうケースでは、他社からの乗り換えで新規客100社に買ってもらうのか、バージョンアップなどの提案で、リピーター100社に買ってもらうのかということだ。もちろん、実際にはそれらの中間を選択することになるだろうが、その割合をどうするかだ。

一般に、新規客に販売するコストは、既存客に販売するコストの5倍はかかるとされる。インターネットのサイトに多額の広告費を払って多くの人に見てもらっても、実際に足を運んでもらえるのはその何十分の一、何百分の一、あるいはそれ以下の確立でしかない。だからリピーターをいかに確保するかがここでは大切になる。

売上高を構成する4つの要素

結局、売上高=(商品単価×アイテム数)×(新規客+リピーター)という式になる。この中の4つの要素をどのように組み合わせるか、改善していくかを意識しながら目標を立てなければならないということになる。
商品単価を市場との関係で前年より下げなければならないなら、それをどこで補うかを考える必要がある。

私も早速、この式に基づき目標を立ててみたが、これが案外と時間がかかる。目標は低すぎても頼りがないし、かといって高すぎるのも途中で挫折するのが目に見えるようで設定しづらい。求められるのは経営者としての自分の意思だ。
「絶対にやり遂げてみせる」という固い決意を持てるかどうかが1年後の結果に表れることになる。