ネットショップ経営を始めるにあたって知っておきたい成功要因と失敗要因

ネットショップを立ち上げること自体はそう難しくありません。しかし、数あるショップの中から選んでもらうには戦略が必要です。

成功するネットショップには共通点があり、反対に失敗するネットショップにも共通点があります。ネットショップが成功する要因と失敗する要因をまとめましたので、立ち上げを計画している方はぜひ読んでください。

ネットショップ経営を始める前に

安易にネットショップ経営を始めようと考えているのでしたら、一度考え直してください。ネット上には数え切れないほどのショップがあり、既存のショップに勝つのはそう簡単なことではありません。実店舗と比べて立ち上げにかかる費用も労力も時間も少ないですが、失敗すると費用も労力も時間も無駄になってしまいます。

ネットショップを始める前に、どんなショップが成功するのか、反対にどんなショップは失敗しやすいのかを知り、成功するための戦略を立てましょう。

ネットショップが成功する要因

コンセプトが決まっている

ネット上にはさまざまなネットショップが存在します。成功しているネットショップの多くは、コンセプトを持っています。

安い価格で販売しているネットショップはたくさんありますし、Amazonなどの大手と価格で争うのは現実的には難しいでしょう。価格競争から逃れるには、コンセプトが決め手になります。コンセプトのあるネットショップはユーザーから共感を集め、支持されます。

たとえば、「らでぃっしゅぼーや」は有機野菜・無添加食品をコンセプトにした宅配ネットスーパーで成功しています。有機野菜や無添加食品を自宅に届けるという価値を提供することでユーザーから支持され、それがビジネスとしての成功につながっているのです。

らでぃっしゅぼーや
出典:らでぃっしゅぼーや

ターゲットが明確化されている

ネットショップの成功にはターゲット選定が欠かせません。世代によって欲しいものも悩みも違うにも関わらず、全ての顧客を同じ枠に当てはめ、ターゲットを広げすぎると、結局どのターゲット層にも響かないネットショップになってしまいます。

ターゲットを絞り込むと売り上げが落ちてしまうのでは?という不安があると思いますが、ここでネットショップの特性を考えてみましょう。

ネットショップは検索エンジンから辿り着くユーザーがほとんどです。ユーザーは検索エンジンでキーワードを入力して目的の商品やサービスを提供しているネットショップを探すわけですが、ターゲットを明確化していないネットショップはキーワードの絞り込みができないため、ユーザーの検索キーワードとのマッチ率が下がります。

リスティング広告を出稿する際にもキーワードの選定が必要となるのですが、そもそもターゲットが明確になっていないと広告効果が高いキーワードを選べません。※リスティング広告とは、検索エンジンでキーワードに連動して表示される広告のこと

目的がはっきりしているユーザーは複合キーワードで検索をするため、そのキーワードに合致したネットショップであれば購入する可能性が高くなります。ニッチな商品を扱うサイトであっても、検索キーワードとマッチしていればアクセスが期待できますし、競合が少ないので戦いやすいという利点があります。

顧客視点で運営している

ネットショップもビジネスである以上、利益を得なければなりませんが、顧客を無視した経営では長続きしません。顧客視点を持つことはネットショップを成功させる上で欠かせない要因です。運営者側の都合ではなく、顧客視点に立って運営しているネットショップは自然と利用者が増え、口コミで広まっていくことでしょう。

シニア向けのショップならフォントの大きさを調整できる機能を付ける、何を選んだらいいかわからない人のために目的やシチュエーション別で商品を提案するなど、顧客視点になって考えれば工夫できることはたくさんあります。

ネットショップが失敗する要因

委託業者に任せっきり

業者に任せればなんとかしてくれるだろう、という考えは危険です。一口にWebコンサルタント会社といっても対応の良し悪しはさまざまで、親身になって相談に乗ってくれるところもあれば、高い代金だけとってたいしたことをしてくれないところもあります。

運良く前者の業者に当たればいいのですが、後者の業者に任せてしまうと無駄な費用を払うことになり、最悪、立ち上げて短期間で運営が立ち行かなくなってしまうこともあるでしょう。

業者に任せっきりにするのではなく、自身でWebマーケティングを学びながらネットショップ運営のノウハウを身につけていくべきです。わからないところや自分では解決できない部分は業者に相談するのはアリですが、任せればなんとかしてくれるという依存した考えは捨てましょう。

市場調査をせずに参入

実店舗の立ち上げ前には市場調査を行い、ビジネスとして成り立つかを精査します。ネットショップも同じで、事前に市場調査をしておく必要があります。しかし、市場調査をせずに参入するショップオーナーは案外多く、ネットショップを立ち上げたはいいものの集客がうまくいかず失敗している人も多いです。

なぜ市場調査を怠ると失敗するのか?それは、市場規模が小さいゆえにビジネスとして成り立たない、参入している事業者が多く競争が激しい市場であるといった原因が考えられます。市場によって詳しい事情はさまざまですが、いずれの場合でも市場のことを知らないと戦略を立てることができません。

市場調査は面倒くさい作業ですが、成功しているネットショップは調査を行った上で市場に参入しています。市場の規模、競合ショップ、将来性などをふまえ、参入すべき市場を選びましょう。

集客方法を考えていない

いい商品を提供していれば何もしなくても自然と利用者が増える、という考え方ではネットショップは成功しません。商品を売るにしても、まずショップの存在を知ってもらわなければならないからです。

SEO施策を行って検索結果で上位表示を狙う、リスティング広告で集客する、Facebookページを立ち上げて宣伝するなど、集客方法はいくつかあります。集客方法によって要する時間、お金、労力が違うので、資金や集客にかけられる時間を考えて選ばなければなりません。

ネットの世界も競争ですので、集客で手を抜くとライバルショップに置いていかれてしまいます。

おわりに

ネットショップを成功させるには、「コンセプト決め」「ターゲット選定」「顧客視点での運営」、この3つが欠かせません。他にも大事なことはありますが、この3つを満たすことは成功するための必須条件といえます。

ネットショップを立ち上げる前に、成功しているショップを見て研究することをおすすめします。