不満を持つ人のほとんどは何も言わずに去っていく

自分がどういう状態にあるか、自分のビジネスがどう受け取られているのかを知るのにもそれなりの努力がいる。

もちろん、売り上げによって、それが良く受け取られているのか、悪く受け取られているのかは分かるのだが、それだと遅い。
分かったときはすでに手遅れだ。

顧客は提供された商品、サービスに不満がある時どういう行動をとるかは、すでにいろいろな調査で明らかになっている。

その一つに1980年前後米国で調査された「グッドマンの法則」は有名だ。
不満を持った消費者のうち、申し立てを行ったのはたった4%。
そのほどんどが、二度と商品(サービス)を購入しないで去っていく。

少しずつの変化が大きなものに

あるラーメン屋の店主は、今日の味が良かったのかどうかを、客が勘定を払う時の小銭の出し方だったり、扉を閉める音から感じて、味をしつこく見直すという。

新しいメニューを作って客の反応をみるのであれば、まだ分かりやすいのかもしれないが、やっかいなのは定番メニューの味が徐々に変わっていくことだ。

今日の塩味を仮に1として、翌日にその100の1だけ味が変わったとすれば、その味は1.01になる。
それが続くと約1か月半後には味は1.5になり、2か月後には2.0を超えることになってしまう。

毎日その味を作り続ける店には味の変化は分からなくても、たまに来る客には2倍以上の変化に感じられるということだ。

自己満足に陥っていないか

同じような話しは美容室でもある。
その美容室の経営者は、髪の毛を仕上げた時の客の何気ない態度から、客の満足度を推し量るという。

店の従業員との間で、仕上げた後で客が髪の毛に手をやる仕草をしたときは、後でもう一度これまでの髪型とその日の髪型の違いやその他の要因をチェックするそうだ。

あるゴルフ場の場合は、キャディーのサービスに対する感謝や不満を、キャディー自身が客から直接聞くことはないそうだ。

しかし、ゴルフが終わって皆で風呂に入りリラックスした時に、「あのキャディーしゃべりすぎだよね」「気が利くね」といったことを口にする。
それを風呂の掃除の担当者が注意深く気に留め、カードに記入することになっている。

現実が見える仕組み作りを

先日、あるメーカーの社長と話しをしている際、「中国のメーカーはもう決して侮れない。すでにある部品の仕様などは日本メーカーの先を行っているものもある。いつまでも品質では日本が上だと思っていると痛い目に合うことになる」と注意を喚起していた。

これも周囲がこれまでの経験の枠の中だけで判断して、現実が見えていないことを示唆している。

私たちは思っている以上に、見えていない。

頭で理解していたとしても、黙殺していたり、否定したり、思考を停止していたりする。まずは手遅れになる前に、自分がそういう状態に陥っていないか内省する必要がある。
内省が難しいようであれば、先ほどの例のように仕組みとして気付ける機会を設けておくべきだろう。

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