経済産業省がIT経営のロードマップ

今日の企業経営に情報システムは必要不可欠な存在になっている。例えば、販売や会計などの事務処理は、多くの企業で情報システムが使われており、それが当たり前になっている。また、販売や顧客などの情報をマーケティングに活用したり、Web技術を使って販売促進や電子商取引を行うことも可能になっている。この情報システムの活用が企業の競争力を大きく左右している。だから創業に当たっても、ただ不得意だからということで何もしないでいたり、そのためにわざわざ人を雇ったり、アウトソーシングするにしても専門業者に丸投げして済むような話ではない。

情報システムに不得意な人にも、経済産業省が企業の「IT経営」の実現に向けた取り組みを整理した「IT経営ロードマップ」を公開しているので、それを参考にすると役に立つのではないだろうか。ここでいう「IT経営」とは、ITを戦略的に使いこなし、競争力や生産性の向上を実現し、経営力を向上させることを指す。ITは貴重な経営資源であり、その活用を進めるには経営者自らが率先して携わるべきだとする。そして、「IT経営ロードマップ」ではこのIT経営を実現するための取り組みを、成功企業の経験を踏まえて「見える化」「共有化」「柔軟化」の3ステップに整理している。

まず業務や情報を客観的に把握する

まずステップの第1にある取り組むべき「見える化」というのは、経営から得られる視点に基づき、現場の課題の抽出と解決の検討材料につながるように、業務や情報を客観的に把握できるようにすることを指す。要は情報や業務の双方の可視化と、ステークホルダー(顧客や従業員、取引先など企業を取り巻く関係者を指す)への情報開示を通じた透明性を確保することだ。情報の見える化は自社のビジネスモデルに即して、情報の使い方などを洗い出すことで実施する。業務の見える化は、現場の責任者を巻き込みつつ、ITと一体になった業務プロセスの構築に取り組むことが基本になる。

ステップ2つ目の「共有化」は、現場で積み上げられた「見える化」の成果を、経営戦略上必要と思われる社内外の関係者間において、いつでも効率的に使えるように共有化することを指す。この共有化では部門の壁や業種や業態を越えた社内外との連携を実現するための情報基盤を構築したり、自社のバリューチェーンの全体を見渡したうえで、共通化の目的や範囲を限定し、メリットやコストのバランスを考え、最適と判断される方法で業務を再構築することができる。バリューチェーンとは要するに自社がどこで儲けようとするのかを探るもので、例えば小売りであれば、商品の品ぞろえで差別化するのか、オリジナル商品を提供するのか、販売後のサービスを売りにするのか、などといったことだ。

新たなイノベーションに向かう

そして最後の第3ステップである「柔軟化」は、将来予測される外部環境の変化に対して、必要に応じていつでも自社の業務を柔軟に組み替えられるようにすることを指す。同時に、社内外の必要な情報を組み合わせて、新たなイノベーションを素早く創出できるようにする。例えば、業務やシステムのモジュール化などを促進することで、社外の環境の変化に合わせて柔軟に組み替えるべき業務を特定することで、今日の新型コロナウイルスの感染拡大が及ぼす環境の変化にも対応できるように体制を整えるようなことと言えば良いだろうか。

情報の結合と分離を繰り返すことで新たなイノベーションが創造されるということが言われている。実際、既存の情報の利用方法を見直すことだけでも新たな付加価値が生まれる可能性は小さくないと言える。ITはそのための大切な手段になる。例えば事前に新型コロナウイルスの感染拡大が分かっていた人なんてひとりもない。企業経営にとってこれから一瞬先にも何が起こるか分からない変化の激しい時代だからこそ、それに向けた体制を整えておく必要がある。今の強みが、明日の強みとして通じるとは限らない。卑しくもひとたび起業して経営者となったのなら、そのことを重々肝に銘じて将来に備えなければならない。

先進国で最低のIT投資

経済産業省は我が国のIT投資状況は緩やかな上昇を続けているものの、特に1990年前後のバブル経済崩壊後はその伸びが停滞しており、米国とも大きな開きが生じていると危機感を持って受け止めている。事実GDPに占めるIT投資の比率を世界各国と比較すると、我が国の水準は先進国の中でも最も低くなっている。さらに上場企業の中ですら、IT投資といっても約70%の企業が「情報システムの導入」とそれに続く「部門内最適化」の部分最適段階に留まっており、「部門の壁」を越えて全社最適に移行している企業は少数派に過ぎないと指摘している。

そこで部門横断的な権限に基づくデータの標準化や、ビジネスプロセスの共通化などが必要となっている。同じ経済産業省の調べによると、企業の売上高経常利益率は「IT経営度」と緩やかな相関関係を示しており、従業員一人当たりの生産性で見ればその関係はより鮮明になるとしている。よってIT投資の生産性の鍵は、これからも「IT経営」の成熟度が握っていると見られており、全体最適の段階により多くの企業に進んでもらうことが重要だとしている。起業の段階からそれを念頭に入れた企業経営が実践できれば、同業他社との間でも頭一つ抜き出た競争力を持つことができそうだ。

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