論語の時代から指摘

これを知る者はこれを好む者に如かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。(論語より)
(ものごとを理解する人は、これを愛好する人にかなわない。
愛好する人は楽しんで一体となっている人にかなわない。)

「何故働くのか」と今さら聞いてみたところで、しらけるばかりかもしれないが、それが働き方に大いに関係してくる。その動機には「内発的動機」と「外発的動機」があるのは、よく知られているところだ。

内発的動機とは喜んで何かをする動機で、「仕事が楽しいから」とか、「この仕事を通じて人の役に立ちたいから」のように、自分の内面にある好奇心や関心事が動機となるもののことをいう。対して、外発的動機とはしかたなく何かをする動機で、「お金がなくては生活できないから」とか、「仕事をしていないと何となく体裁が悪いから」のように、報酬や罰が動機となるもののことをいう。

どちらか一方だけというよりも、「この仕事は楽しいけど、毎月のノルマが厳しい」といったように、内発的動機と外発的動機は混在しているのが自然だ。とはいえ、内発的動機と外発的動機のどちらの動機が優位にあるかが、その人の仕事の働き方に影響を与える。

内発的動機の大切さ

一般にはGDPが高い国ほど、内発的動機と職務満足感との関係性が高いことが知られている。その理由はちょっと想像しただけでも分かるように、豊かな国であればあるほど、物質的な幸せは手に入りやすくなり、人々は自己達成感などの内発的動機の関わりを求めるようになるからだ。

今、例えば、「お客様の笑顔に接することが楽しくてこの仕事をしている」と内発的動機の強い社員Aさんと、「給料をもらうためにこの仕事をしている」と外発的動機の強い社員Bさんがいたとする。この時、お客様の満足をさらに高める努力を続けたり、良い仕事をするためのアイデアを出し続けるのは、社員BさんよりAさんの方だろうとは容易に想像がつく。そして、それは実際行われた様々な研究でも実証されている。

だから内発的動機の人が多いか、外発的動機の人の方が多いかは、その組織全体のパフォーマンスに大きく影響する。内発的動機の強い社員を一人でも多く増やしていくことは、経営上大きな課題となる。

顧客の声を直接聞く

では、どうすれば内発的動機の強い社員を増やすことができるだろう。
ここで注目すべきは、仕事の「意義」だ。仕事に対する価値や重要性、つまり「意義」を感じさせることで、人は仕事そのものが楽しくなるという強い内発的動機を得やすくなる。そして、どんな仕事にもその仕事の恩恵を受ける顧客がいる限り、それは顧客にとって「役に立っている」ことに他ならず、そのことを認識することで強い意義を感じることができる。

「それなら、企業理念がある」「ビジョンがある」などと多くの企業で言われそうだ。実際、そこには「私たちは…を通じてお客様に貢献します」「社会を豊かにします」「世界平和に貢献します」など、その企業が存在する「意義」が示されている。

しかし、それだけでは不十分なのだ。毎朝の朝礼で企業理念などを繰り返し唱和しても、一向に内発的動機が高まらない企業は多い。そこに示された意義などは、多くの社員はすでに知っている。だから、それを経営者らが社員に繰り返し伝えてみたところで、社員の行動を変えることにはなかなかつながらない。

そこで、効果的なのは、社員たちが顧客の声を直接聞けるようにすることだ。よく企業に閉じこもりがちな技術者たちが営業の最前線に出る例が紹介されているが、それは顧客の要望を直接製品の開発に生かすということだけでなく、技術者たちにとっても顧客の喜びや怒りなどの生の声を聞くことが、内発的動機の高まりを促すメリットにつながるからでもある。

自社での働く意義を示す

だが、当の従業員からはよく、「あまりの待遇の悪さに納得いかない」といった相談事が寄せられることも多い。大手の学習軸でアルバイトをしている学生は、時給が2000円で好条件と思って応募し、働き始めたところ、時給が支払われるのは担当した授業時間の間だけで、その他の授業の準備の時間や、テスト問題の作成・採点などに要した時間はまったく入っていなかったそうだ。そこで経営者に文句を言ったそうだが、「教育というのは生徒の自己実現を支援するやりがいのある仕事です。…これに関わることが、私たちにとっても大きな喜びで…」などと言葉が返ってきたそうだ。

学生は「それを言われると何も言えなくて…」とあきらめ顔だったが、これでは典型的なブラック企業だ。仕事の意義、やりがいを盾に、だから他の条件が悪くても我慢しろというのは筋が通らない。せっかくの内発的動機を外発的動機が帳消しにしてしまっている。これではその学生は将来他の学習塾に移るだけだ。働く意義を決して自社の待遇の悪さの言い訳にしてはならない。この場合、結局のところ、働く意義は業界にあるのであって、自社にあるのではないからだ。業界に加えて、その中でも何故自社で働く意義があるのかを示すことで、初めて働き方も変わってくる。

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