心のよりどころとしての占い

先日、ある異業種交流会で経営者に占いをしているという女性経営者に出会った。その方曰く、経営者は大切な顧客なのだそうである。実際占いを経営判断に取り入れている経営者は多いようで、結構忙しくしているという。この方の顧客の中には、誰もが知っている経営者もおられた。

経営者と占い、その取り合わせは一見奇異に見られるかもしれないが、改めて考えると、権力者が占いに頼るのは歴史にも良く知られる通りだ。それは日本に限らない。占星術が盛んだったイギリスでは、占星術師が戦争の際に雇われることもあったという。第二次世界大戦でも、戦いの方針に占星術が利用されていたとされる。同様に、ドイツでも占術師を登用したという記録があるくらいだ。

元アメリカ大統領のレーガンは、占星術の影響を強く受けていたといわれる。ナンシー夫人が占星術に傾倒していたことが大きかったようだ。にわかには信じがたいが、彼は占星術師を雇い、その助言を参考にして政治や経済などの重要事項も決定していたそうだ。

権力者にとって、心のよりどころとして重宝されている占い。表舞台では取り上げられないが、歴史に与えた影響も大きいのかもしれない。

占いがあと押し

権力者や会社の経営者などが占い師に頼る原因って何だろう。組織の権力者は、その権力が強大であればあるほど、常に孤独とプレッシャーと戦っているであろうことは容易に想像がつく。

権力があってみんながなんでも言うことを聞いてくれるような王様でも、みんながみんな強い心を持っている訳ではない。経営者の毎日も常に決断の連続だ。それは企業の大小など関係ない。大きな決断に際してはとてつもないプレッシャーがかかるだろう。たとえ会議で決めたことでも最終的にはトップが決断しないといけないものだ。

そうしたプレッシャーに打ち勝つために占いを使う時があるのだという。それは占いの内容をすべて信じて行動するということではなく、占いの結果にあと押しをしてもらいたいというのが真実のようだ。そうして少しでも身に降りかかるプレッシャーを軽くできるのかもしれない。

もちろん、占いに頼りきってしまうと本末転倒になってしまうが、冒頭の女性占い師によるとそんな経営者もいないわけではないようだ。

孤独な経営者

「言われるうちが華」というのは、成長過程にある人だけではなく、一定の地位に立った人にこそ大切な教訓だ。嫌な思いをしながらお説教やダメ出しをしてくる人は、「もっと成長してほしい、自分と同じ失敗をしないでほしい」とこちらのことを真剣に考えてくれている。本来実に有り難いことなのだ。

ところが、経営者になると、他人から指摘を受ける機会は減る。1つは経営者にお説教することを相手が遠慮するケース、もう1つは相手にされなくなってしまったケースだ。特に後者のケースは簡単に改善できない。相手にされないのは、こちらが無知である、話していてつまらない、人間的に魅力がないなど複数の要素が絡み合った結果だからだ。

経営者が自分に自信を持つのは大切だ。ただし、重要な判断をする立場にあるからこそ、常に客観的な視点で自分自身をかえりみる機会が必要になる。そして、そうした機会は他人からの指摘によって得られることが多い。にもかかわらず、他人から耳の痛い話をしてもらう機会がなく、自分の考えだけでビジネスを進めている経営者は本当の意味で孤独になる。これは現状を改善したり、新しい発見をする機会を得ることができず、孤立無援でビジネスをしなければならないということだ。

あなたはどの関係が多いか

経営者を巡る人間関係はいくつかのパターンがある。

「探り合い」は、ビジネスライクな付き合いを指す。ビジネスではよくある関係で、こちらとしてもうまく付き合っていきたいところだ。ただし、探り合いの相手は損得勘定で物事を判断するため、こちらが逆境のときに力になってはくれず、一気に離れていくという難がある。

「飲み友達」は、お友達感覚の付き合いだ。かけがえのないものだが、ビジネスとは一線を画す。友人としていろいろな指摘をしてくれるだろうが、そもそもこうした関係は幼なじみなどの友人と同じだ。経営者ならば、ビジネスで深く付き合える相手を見つけたい。

「面従腹背」は、表向きは友好的に接しているものの、裏では何を考えているか分からない。既に経営者のことを見限っていて、そもそも真摯に向き合う気持ちがない相手だ。ただし経営者に逆らうのは面倒であると考え、表向きは礼儀を尽くす。

やはり理想は「尊敬される経営者」になることだ。人間的魅力とビジネス遂行能力を併せ持ち、経営者な権限を使ってパワフルにビジネスを進める経営者は魅力的だ。自然と人が集まる経営者、話していると元気をもらえる経営者、一緒にビジネスをしたいと思わせる経営者といったところか。経営者なら誰もが目指すところだが、この域に達することができず、日々努力している経営者も多い。やはり占いに頼りたくなるのがよく分かる。

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