人件費削減の代りになるもの

昼食に普段よく利用している店があるのだが、最近その店の切り盛りが親父さんから息子さんに代った。その息子さんは大学でMBAを取ったとかで、親父さんの自慢の息子だ。常連客も何人かいた店だが、どうも最近集まりが減ったように感じる。私自信も、味が変わったかなとは思っていた。

やはり飲食業の場合、味まで引き継ぐのは難しいのかなと思っていたところ、思わずその当の息子さんと話しをする機会があった。聞いてみると、親父さんの代から経営は決して楽ではなく、何とかしたいと思っていること。アルバイトも一人減らしたが、今は人手不足でそれ以上人件費を削るわけにもいかず、その他の経費を順番に削っているということ。

原材料費の削減で売り上げも減少

よくよく話しを聞いてみると、材料の仕入れもそれまでとは違うルートからの仕入れを始めたという。それで味が変わったかなという感じも、私の思い違いではないことが分かった。その息子さんはこれまで親父さんが発掘してきた仕入先をやめ、もっと安く手に入れることができるルートに代えたのだった。

コストを削減するための方策を考える際にも順番はあると思う。コストを①売上原価、②販売費及び一般管理費、③その他の3つに分けて考えると、やはり基本は売り上げに直接関係しないところから始めるのが常道ではないだろうか。①売上原価や②販売費及び一般管理費を削減すると、売上高まで減ってしまうリスクがある。

コスト削減は売り上げに影響しないものから

結局、この店のようにコストを削減できても、それ以上に売り上げが減少してしまい、利益も少なくなるので、また更なるコスト削減が必要になると言う悪循環に陥ってしまう。やはりコスト見直しの順番としては、売り上げに直接関係しない費用にまず目を向け、売り上げに影響を与えるかも知れない費用はその後になろう。

それでは、③その他というのはどういうものがあるかと言えば、銀行からの借り入れに生じる利息であったり、店(会社)が持っている資産を売却したり除却した場合に生じる損失、税金などだ。また、②の販売費及び一般管理費の中でも、店(オフィス)の家賃や消耗品、通信費、水道光熱費などの管理費に関する部分は見直しの対象に入るだろう。

知恵を使ったコスト削減

飲食店の場合、私の知り合いでカレーライスを目玉にしたレストランがあった。価格もそこそこにして、昼食時には客の目がカレーライスに向くように、看板にもひと際大きく書いている。結局、カレーライスの注文が自然と多くなり、それに従って腕も磨かれ、その地域ではカレーライスならあの店、というような名物になっている。

これは販促の一つかもしれないが、同時にコスト面でもカレーライスの材料を多くまとめて仕入れることで、コスト削減策の一つになっている。こう考えると、コスト削減の方法でもいろいろな方策があることが分かる。肝心なのは、何よりしてはいけないコスト削減をしっかりと把握することだろう。

株式会社 大阪エルシーセンター CUBE電話代行サービスグループ
CUBE電話代行サービスでは、実際に電話応対をしているオペレーターが、電話代行サービスの魅力やビジネスに関する情報を発信しています。日頃の電話応対のノウハウや様々な業種の導入事例等、電話応対にお悩みの企業様や、電話代行を検討している方は是非ご覧下さい。