身近な先端技術

クラウドやIoT(モノのインターネット)、AI(人口知能)といった新技術が次々に登場し、これらを手掛けているIT企業が成長している。
こうした動きは結局、私たちの仕事にどう影響するのだろうか。

まず、こうした先端技術がこれまでのように大手企業が使用したり独占したりするものではなくなってきているということだ。
実際に情報蓄積のアウトソーシングであるクラウドや、AIなどの技術は様々な企業が身近に使える技術になり、中小企業も活用している。


企業が資本力に任せて大量のサーバーを稼働するのでなくクラウドを使う。
その情報を一部の知識のあるアナリストが分析するのでなく、AIを使って現場に近いところ、例えば営業などで活用していくという動きが出てきている。

自分たちに何ができるのか

これまでのハイテク業界では技術を巡る企業同士の対立が注目されたりしたが、近ごろは顧客の利便性を第一に考えて、ライバル同士であっても大胆な提携を組む例が出てきている。

今は生産する企業の論理である、優れた技術を作り上げた企業が全世界を抑えるような時代ではない。
顧客が何を望んでいるかという視点が求められる時代にあって、顧客の方がビジネスモデルや技術面で知識が豊富で関心も高い。

企業側にとって、「自分たちに何ができるのか」を問う発想が必要不可欠になっているのだ。

コストセンターからプロフィットセンターへ

さらに、これまでのITはコスト削減や業務の効率化に焦点が当てられていて、いわば「守りの側面」が強かった。

しかし、これまでのような利益を生み出さない「コストセンター」だったITが、今はまったく逆の利益を生む「プロフィットセンター」としての役割が求められている。

守りの時代なら慎重なやり方で時間をかけて開発して、数年かけて減価償却するという仕方でも良かったのが、ユーザーの多様な要求に応えてすぐに開発し、柔軟に変更を加える時代になっている。

顧客が何を望んでいるかを考えない限り、売り上げも利益もついてこないようになっている。

競争ルールが変更

かつての強い企業は技術や市場獲得を追求し、その結果高い株価によって投資家や社員を引き付けてきた。
さらに買収攻勢によってライバルを減らし、独占的な支配を求めることもあった。

しかし、最近になって企業も社会の一員という意識が強くなってきている。

地域社会を重視し、環境保護や、従業員の幸福など幅広いステークホルダー(利害関係者)と融和や共同歩調を取るという経営方針を掲げるところも多くなっている。


中小企業もこれら先端技術を活用することで大きなチャンスがつかめる面白い時代だ。「5年後にはどんなサービスが実現できそうか」という視点で事業に臨んでみるのも有効かも知れない。