地産地消の動きが活発化

米国で話題になっている「ファーム・トゥ・テーブル」。日本語にすると「農場から食卓へ」。いわゆる食べ物の地産地消を重視する動きのことを指す。米国ではこの動きがかなり本格化しているという。

元々はレストランに出される料理に新鮮な地元の食材が使われていないことに不満を持つ人が増えたころから提唱され始めたらしい。


加えて、最近ではおいしくて出所のはっきりした安全な食品を食べたい、地元の経済に貢献したいと考える消費者が増えてきたことも背景にあるそうだ。

確かに現代ではレストランのメニューなどに、知らないうちに遺伝子組み換え食品がどの程度入り込んでいるのだろうかと不安に思う人などが少なくないとされる。

持続可能なコミュニティに進化

ファーム・トゥ・テーブルが米国中にいかに広がっているかは、多くの主要空港のレストランで有名シェフが調理した新鮮な地元産品を提供している事実を見ても分かるそうだ。

ある航空会社は米国各地の空港でジャガイモなどの作物を栽培することも考えているといわれる。旅行客はそうした動きを非常に歓迎しているようだ。

米国ではさらにその地産地消モデルを進めて、共同体的な生活環境に移植するとこまで出てきているという。
最も成功した例として、その地域社会全体のニーズを満たせる持続可能な食料システムを備えた地域コミュニティも紹介されている。しかも、そのコミュニティは従来の郊外の地区よりも生活費が安い可能性まであるという。

日本でも一層の進化を

日本でも例えば農産物直売所が地産地消に果たしている役割は大きい。住民にとって気軽に地元の産品を購入できる場であると共に、生産者にとっても多様な農産品を自己責任のもと販売できる場となっている。
しかも生産者は消費者のダイレクトな反応を知る場ができたことで、熱心な生産者はそこで得たノウハウを製造出荷や店舗の運営改善に積極的に活用している。

単に「地場」「地元」であることをアピールしているだけでは、食品に対し厳しい目を向けている地域住民の評価はいずれ得られなくなる。
地産地消の取組みを地域に根付かせるには、幅広い視点から消費者の評価も取り入れていくことが必要になっている。

ビジネスチャンスの拡大の予感

以前に何気なく見ていたテレビ番組で、シェフが全国各地を旅して地元のおもしろい食材を探し出し、想像力に富んだユニークな方法でそれを使うというのがあった。

地産地消の動きにシェフたちが刺激されて、季節感と強い地方色を活かした料理を創作しているのだ。
例えば、こうした料理を観光客など相手に提供していけば地域活性化につながる。

米国ではワイン生産地の真ん中あたりに驚くほど多彩なレストランがあったりして、食巡りのツアーなどが用意されているという。最近は農業を巡る話題として相変わらず輸入品の脅威などが喧伝されているが、地産地消の動きにかけて、日本でもこれからまだまだ新しいビジネスが広がっていきそうな感じがする。