5つのクロージングテクニック

商談中は盛り上がってお客様の反応もよかったのに、いよいよ契約となるとはっきりした返事がもらえずそのまま失注…。

営業担当者なら誰しも経験のあることではないでしょうか? きっちり成約まで至るためには、クロージングテクニックを磨くことが欠かせません。

クロージング(Closing)とは、お客様に商品やサービスの良さをプレゼンテーションし、購入や契約を決断させる最後のまとめの部分を指します。「買ってください!」「契約してください!」と強引に迫るイメージを抱いている方が多いかもしれませんが、お願いするだけがクロージングではありません。

この記事では、成約率を高めるのに効果的なクロージングテクニックを紹介します。

1.急がない

営業では購入や契約を得ようとするあまり、お客様を急かしてしまいがちです。

会社や上司からのプレッシャーもありますし、自分の成績に直結するので早く契約を得たいという気持ちは分かりますが、お客様は購入や契約を急かさされていると感じると一歩引いてしまいます。せっかく契約の意志があるお客様でも、強引に契約に持っていこうする意志が垣間見えてしまうと心変わりしてしまう可能性があるので焦りは禁物です。

内心は早く契約の返事が欲しいと思っていてもお客様に感じさせないようにし、決断をそっと後押しするよう商談を進めていくのがクロージングのテクニックです。決断するのはお客様ですので、契約を急かして不信感を与えてしまうのは良くありません。

2.クロージング後の沈黙を恐れない

沈黙を恐れない

商談中の沈黙は怖いものです。とくに提案が終わった後は、営業する側も「断られるんじゃないか…」と不安になり、場をつなぐためにあれこれとしゃべってしまいがちです。

しかし、提案後のお客様の沈黙は、お客様が結論を出すために考えている時間なのです。そのタイミングで口を出すのはお客様の思考を中断させる上に、新しい情報が加わることで一層結論を出しにくくさせてしまいます。

提案が終わったら「いかがでしょうか?」と一言告げて、その後は顧客が口を開くまで自信たっぷりな様子で待ちましょう。クロージングにおいて沈黙は金なのです。

3.テストクロージングで肯定的な心理にさせる

本格的なクロージングに入る前に、テストクロージングを行うのも効果的です。

「仮に導入していただくとしたら、いつ頃がご都合が良いですか?」「仮にご購入いただく場合、どのオプションをご希望されますか?」など、契約後の具体的なイメージがわくような質問をしてみましょう。

あくまでも購入したケースを想定したという前提で話をし、希望される導入時期ならどの日程で納品可能なのか、オプションを付けた場合どのぐらいの値段になるのかを説明しつつ、具体的な購入に向けてさりげなく後押ししていきます。

これは心理学で言うところの「一貫性の原理」を利用したものです。自分自身の発言や態度を一貫したものとしたいという心理のことで、仮であっても肯定的な回答を繰り返した顧客は「断りたくない」という気持ちになっていくのです。

ただし、価格で購入をためらっている場合はこの時点で値引きを提案しないようにしましょう。値引きは最終兵器です。最後のひと押しで使うものと心がけて、クロージングの途中で値引きをしないようにしましょう。

4.松竹梅のプランから選ばせる

価格を分けた3種類のプランを用意し、そこから選んでもらうのも効果的です。人間には自分の行動は自分で決めたいという欲求があります。選択肢を提示することで、「自ら選ぶ」という満足感を与えられるのです。また「契約する-しない」の2択ではなく、契約を前提とした選択となるため完全な失注も避けやすくなります。

なお、松竹梅のプランを提示された場合は真ん中の価格を選ぶことが多いので、本命の提案は「竹」にするとよいでしょう。

5.自信たっぷりに振る舞う

自信たっぷりに振る舞う営業マン

クロージングでは強引に契約に持っていこうとするのは逆効果ですが、弱気になる必要はありません。営業マンの自信がなさそうだと、お客様は商品自体にも不信感を抱いてしまいます。

自信にあふれた態度に見せるためには、以下のようなことに注意しましょう。

・笑顔を保つ
・背筋をしっかり伸ばす
・相手の目を見る。目をそらさない
・顎や髪の毛を触らない
・動作を大きく、ゆっくりにする
・ゆっくり、はっきりと話す
・「~なので、~ですから…」というようにだらだら話さず、「~です。だから~」というように語尾をはっきり切る

まとめ

いかがでしたか? 時間をかけて商談をしてきたのに、最後に断られてしまってはそれまでの苦労が水の泡です。ここで紹介したクロージングテクニックを身につけて、しっかり成約に到れる営業マンを目指しましょう。