電話対応において、忙しい業務の最中に事務所の電話が鳴ってしまい、簡単な内容だったので覚えていられると思ってメモを取らなかったが、いざ受話器を置いたら「あれ、かけてきた人の名前が田中さんで、佐藤さんの書類の件だっけ?逆だったっけ?」などと分からなくなってしまった、というような経験はありませんか。
例え電話の内容が簡単であっても、話が進むにつれて最初の内容を忘れてしまったり、受話器を置いたとたんに記憶から抜け落ちてしまったりなどということは人間誰しも、往々にしてあるものです。自分が担当している案件の受電であれば、確実に自分自身が対応しなくてはならないので、内容や名前を忘れてしまったとあっては、相手からの信用は地に落ちます。
デキるビジネスマンなら、言われたことをいちいちメモを取らなくても覚えられて当然!なんてことはありません。実はデキるビジネスマンこそ、逐一メモを取っているそう。
プレジデント社が行なった調査によると、企業の重責を担う役員層と役職をもたない一般社員層では、メモの活用方法に違いがあることが判明したそうです。
※1 デキるビジネスマンはメモ魔?!「メモの取り方講座」
もちろん、電話対応のメモは一言一句すべてを書き留める必要はなく、後で見直した際に自分がわかるようにメモを取れば問題ありません。ちょっとしたポイントを押さえれば、電話対応をしながら簡単にメモを取れるようになります。
今回はデキるビジネスマンが実践している、電話対応のメモの取り方のコツを解説していきます。
電話対応メモの取り方のコツ

電話対応でメモを取るときには、「聞く」「書く」「話す」の動作を同時に行わなければならず、さらに「聞く」「話す」にはビジネスマナーが求められるため、慣れるまでは電話対応は非常に難度の高いものです。マルチタスクが苦手だという人には、会話をしながらメモを取るのが苦手という方もいるでしょう。
また、デキるビジネスマンの条件として、「仕事が早い」「判断が早い」「主体性がある」「学ぶ姿勢が強い」などがありますが、「周囲とのコミュニケーションが良好で信頼性が厚い」といった点もデキるビジネスマンの必須条件として挙げられます。デキるビジネスマンほど対面、電話対応に関わらず、好感度の高いコミュニケーションを行うように丁寧な対応を心がけている人が多いです。
さらに、デキるビジネスマンはマルチタスクでどんどん仕事を進めているというイメージがありますが、マルチタスクをしていると作業効率が落ち、驚くべきことにさらにIQまでもが下がってしまうという研究結果(※2)があります。このことからもわかるように、実はデキるビジネスマンこそ、シングルタスクでコツコツと業務を行っているのです。つまり、電話対応ではメモを取ることよりも第一に、顧客や取引先との信頼関係を築くための好印象の電話対応に集中することが大切なのです。
しかし、その場の電話の印象がよくても、その後の対応で、メモをとらずに「後で伝えようと思っていたが、担当者に用件を伝えるのを忘れた」、「用件をド忘れして担当者が折り返して再度要件を聞き取る必要が出て二度手間になった」となってしまっては、一気に評価は下がってしまうことに。では、デキるビジネスマンはどうやって電話対応での「会話」に集中しながら、しっかりと受電内容をメモしているのでしょうか。それは、案外簡単な方法で実現することができます。
※2 マルチタスクは作業効率だけでなくIQも低下させる:実験結果
電話対応メモ5つのポイント

1.利き手と逆の手で受話器を取る
電話を取るときには、利き手と逆の手で受話器を取るようにします。
デキるビジネスマンは、シングルタスクで要領よく一つずつ確実に業務を回していくために、小さな動作の無駄をどんどんと省いています。もし、利き手で受話器を取ってしまったら、メモを取る際に受話器を持ち変える手間がかかりますよね。
また、話を聞きながら、一時的に記憶するというのは集中力を要します。無駄な動作で集中力が途切れてしまわないよう、電話機の配置を、自分の利き手の逆で受話器を取れるように、デスクの上に配置しておくとよいでしょう。
2.ペンとメモは無駄な動きのいらない種類を選び、常に電話機の周辺に用意しておく
電話対応のメモを取るときに使用するメモツールは、ペンはキャップがなくノックするだけでペン先が出てくるタイプ、メモなら表紙のないタイプが無駄な動きを減らすことができて便利です。キャップを開けたり、メモのページをめくったりするのはなかなか片手では難しいもの。また、すぐに取り出せるように、白紙のページを一番上にして、受話器の周りの定位置に用意しておきましょう。肝心な時に書けないなんてことがないように、ペンのインクの残量にも気をつけましょう。
デスクの取り出しやすい位置に常にメモとペンがあることで、電話対応以外にも、急に上司に業務を頼まれたときや、アイデアを思い付いたときにもすぐにメモに書き留めることができるので、頻繁にメモをして見返す癖をつけることで、デキるビジネスマンへと一歩近づきます。
3.伝言メモに必要な記入事項を考えておく
かかってきた電話が新規顧客の場合、既存顧客の場合、取引先の場合など、かかってきた内容によって聞き取らないといけない項目が違うという場合もあります。
電話対応のメモを取る際にどの受電内容でも必ず聞き取りが必須なのが、
・宛名
・電話があった日付と時間
・急ぎ対応が必要なのか通常対応でOKなのか
・かけてきた相手の会社名、部署名、個人名
・担当者名
・ご用件
です。
担当者が不在の場合は折り返し先の電話番号と折り返し希望の時間、新規顧客の場合であれば住所などの聞き取りが必要な場合もあります。うっかり聞き忘れた!とならないように、事前にそれぞれで聞き取りが必要な項目を自分で考え、受話器を取る際に見える位置に付箋で貼り付けておくと聞き漏れを防げ、落ち着いて電話対応しながらメモを取ることができます。
4.電話対応メモのテンプレートを用意しておく
電話対応しながら必要な項目を埋めていくだけで伝言メモが完成するメモのテンプレートを用意しておくとよいでしょう。
メモのテンプレート一例は以下の通りです。
テンプレートなしでメモを取ろうとすると、受話器を置いて見返したときに、例えばメモに名前だけ書いてあったら、どれが電話をかけて来た人の名前でどれがご用件の人の名前なのか、さらに担当者が自分と別部署のスタッフであった場合は、担当者名もどれだったのかピンとこないこともあり、メモの内容のどれが正しいものなのかが、ごちゃごちゃになってしまうこともあるでしょう。テンプレートがあれば決まった個所に名前や用件などを埋めていくので、こういった問題は起こりにくくなります。
また、担当者が不在の場合に必ず伺う、折り返しなのか伝言なのかといったことも、メモにいちいち文章を書かなくても、チェックマークを付けるだけで済むので、効率的です。伝言メモを渡す際にも見やすくまとめることができて便利です。
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5.電話対応で使用頻度の高い単語は、予め略語やマークを決めておく
電話対応をしながらメモを取る際に、例えば、自社商品名が長かったらメモを書くのに時間がかかってしまいます。長い自社商品名なら既に社内で略称があるかもしれませんが、略称をカタカナでメモしたり、頭文字をローマ字表記したりするのもよいでしょう。また、電話で問い合わせの頻度の高いものは、この商品は△、このサービスは□など、自分が覚えていられる範囲で記号やマークを決めておくと、メモするのにかかる時間が短くなり、その分電話対応に集中することができます。
また、名称以外にもよく電話対応で出てくる業界用語も同じように、略語やマークなどを自分の中で決めておくのもよいでしょう。
よく聞く「リスケ(リスケジュールの略)」や「PDCA(Plan・Do・Check・Actionの頭文字で、仮説、実行、検証、見直しを繰り返しながら品質を高めていく考え方)」などのビジネス用語も、業務を円滑に進めるために生まれています。ビジネス用語を用いると長い説明が必要なくなり、業務内容を相手へ的確に伝えられるようになるからです。ビジネス用語は入社後に教えてもらえる機会はほぼないですが、多くのデキるビジネスマンは、業務を効率よく進めるために、多くのビジネス用語を使いこなしています。
電話対応メモでは「リスケ」や「マスト(必須や絶対条件を意味する。“マストで”と言われた業務は、優先順位が高い)」、「フィックス(予定や条件などが確定したこと、修正が完了したことを指す。“スケジュールがフィックスした”と言えば、予定が確定したということ)」などが使えるかもしれません。
取引先からの電話であれば、会話の中でビジネス用語が出てくることもあるでしょうから、特に若手社員の場合は空き時間にビジネス用語や業界用語を勉強しておくのもよいでしょう。
電話対応のメモの取り方のコツを解説(前編)まとめ
今回は、電話対応におけるメモの取り方のコツについて要点をしぼってお伝えしましたが、デキるビジネスマンはメモの取り方だけではなく、「正確にメモを取るための電話対応の方法」、「正確に伝言メモを担当者に渡すための方法」においても工夫を凝らしています。
次回、後編では、これらに要点を絞ってお伝えいたしますので、次回もぜひお読みいただけると幸いです。
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