ターゲットを明確にすることは、マーケティングの基本中の基本です。
消費者のニーズが多様化している現在、ターゲット設定はますます重要になってきています。

しかし、ターゲットを設定しろと言われても何から手を付けたらよいのかわからないという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、ターゲット設定の基本的な手法であるセグメンテーション(セグメント化)について解説していきます。

セグメンテーションとは?

セグメンテーションは英語で「分割」という意味で、マーケティングでは市場細分化の手法を指します。
多様化する顧客のニーズに合わせ、市場を細かく分類することをセグメンテーションと呼ぶのです。

セグメンテーションは、「地理的変数」「人口動態変数」「心理的変数」「行動変数」の4つの軸に分類されます。
これら4つの軸に基づくことで、抜け漏れなくターゲットの絞り込みを進められます。

(1)地理的変数

地理的変数とは、国、都道府県、都市、市町村などの地理的な要素を指します。
国内であるのか海外であるのか、国内ならどのエリアなのか、エリアの中でどの地域であるのかなど、ターゲットとする地域を絞っていきます。
複数の地域をターゲットにし、地域性に合わせて異なる商品やサービスを提供するのも戦略のひとつです。

一般に、最寄り品の取扱が多い業態では狭い範囲を、買回り品を取り扱うサービスでは広い範囲を設定することが多いです。
地域の主な交通手段が自動車であるのか、鉄道であるのかと言った点も地理的変数を設定する際に考慮が必要です。
インターネット通販やオンラインサービスなどでは地理的変数を設定しなくてもよいケースもあります。

なお、駅別の乗降客数や人口動態等を調べたいときには、下記のサイトが便利です。

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出典:出店戦略情報局

(2)人口動態変数

年齢、性別、家族構成、職業、所得などが人口動態変数に該当します。
どの変数を使用するかは業種・業態によって異なります。

たとえば、住宅販売や自動車販売では家族構成がセグメンテーションの変数となります。
住宅は家族構成によってニーズが異なり、独身者と既婚者では求めている住宅が異なります。
一人暮らし向けのマンションを販売しているのに、ファミリー向けのマーケティングを行っても効果は見込めないでしょう。

所得も重要な要素です。
高級品を販売しているのに、低所得者層向けにマーケティングを行っても無視をされるか、悪くすれば反感を買うだけです。
例えばスーツを販売するにしても、高価なブランド品やオーダーメイドなら役職付きの高所得層を狙わなければならないでしょうし、吊るしの量産品を売るのであれば新入社員などをターゲットにするべきです。

(3)心理的変数

心理的変数は消費者それぞれの価値観、性格、好み、趣味嗜好、ライフスタイル、購買動機などが該当します。

たとえば、40代の主婦をターゲットに無農薬野菜を販売する場合、同じ40代の主婦でもそれぞれ価値観が異なり、食材の安全性を重視するか、価格を重視するかによって購買意欲が変わってきます。
このように、個人の消費に対する考え方もマーケティングに大きく関係しています。

価値観や好みは多様であるため難しいセグメンテーションですが、心理的変数を無視した戦略だと消費者の購買意欲を引き出せません。
消費者へ効果的に訴求するには、特定の価値観を持った消費者をグループ化するなど、心理的な側面もふまえたマーケティングの戦略が必要となります。

顧客心理

(4)行動変数

行動変数は、購買状況、購買パターン、製品に対する知識の有無、態度などが該当します。

購入頻度や購入シーンは製品によって大きく異なります。
玉子や牛乳などの生鮮食品はほぼ毎日買うでしょうし、反対に自動車や大型家電などは数年に一回です。
スーパーなどでは購入経験のある顧客に対して毎日チラシの情報を届けるのが有効となりますが、新車を購入したばかりの顧客に値下げ情報を送るのは悪手と言えるでしょう。

製品に対する知識がある消費者とない消費者でも製品に対する反応が変わってきます。
また、そのメーカーやブランドの製品を使ったことがあるかどうかでも反応が異なります。
新規顧客をターゲットにするのか、既存顧客をターゲットにするのかによって、マーケティングの戦略を変える必要があるのです。

最近は、ITの普及で消費者の行動履歴や動向が把握しやすくなり、行動変数によるセグメンテーションが行いやすくなっています。
サイトへの来訪回数・頻度、購入経験などがデータ化しやすくなったのです。

ライトユーザーが多い場合、製品に満足していない消費者が多いと考えられ、アンケートをとって不満点を洗い出すといった打ち手がとれます。
新規ユーザーが少ない場合、初心者にはメリットが伝わりづらいといった原因が考えられるため、初心者向けのセミナーを開催したり、噛み砕いた説明コンテンツを追加したりといった打ち手が考えられます。

まとめ

最近はペルソナマーケティングやカスタマージャーニーマップといった「一人ひとりの顧客を掘り下げて考える」分析手法が注目されていますが、それらのモデルも基本のセグメンテーションの考えから発展していったものです。
また、高度過ぎる手法は分析に時間がかかりすぎてしまい、使い勝手が悪いこともあります。
まずはターゲティングの基本であるセグメンテーションの手法を理解して、必要に応じて応用編に進んでいきましょう。