身体のバテが悪い循環の引き金に

私がまだ少年時代を過ごした数十年前にはいかに暑くてもそんなことはなかったと思うのだが、ここ最近では、夏場の気温が35°Cを超えると聞いても、さほど驚かなくなるほど連日酷暑が続くようになってきた。そんな一日一日を何とか乗り切ったように思えても、身体の方は正直で、それは運動を終えた後のように年齢を重ねるほどしばらく経ってから深刻なダメージとなって現れてくる。私の場合、日記帳をめくると、ちょうど10月頃にその調整期のようなものがあることが分かる。去年もそして一昨年も私はその頃に2,3日身体の調子を悪くして何も手を打てない状態になっている。

それが自身の身体の調子だけで終わっている間はまだ良いのだが、身体の調子が悪いことが仕事の判断にも及ぶとまずいことになる。つい弱気になったり、毎日のTO DOリストを飛ばしてみたりといった具合だ。特に私のように一人で仕事をしていると、周囲にそれをフォローしてくれる人がいない。そうすると、一度悪い方に回り出した考えが、悪い結果を招き、それがどんどん次の悪い循環を呼び起こすようになってしまう。分かっていても自然とそうなってしまう。そんな時は元気の出る本や映画などを見て、気分を一新するに限る。そうやって乗り切るようにしている。

人生は戦略的に

今年の私のお勧めの本は、「ペンタゴン式 ハードワークでも折れない心の作り方」(カイゾン・コーテ著・中津川茜訳、KADOKAWA)だ。その中から私が元気をもらったいくつかの言葉を少し紹介したいと思う。

「人生がその場しのぎになればなるほど、心は消耗しやすくなります。それは目の前にあることがすべて一過性の『義務』になってしまうためです。『何のために今、この作業をしなければならないのか』がハッキリしないまま、義務感だけで目の前のことにフォーカスすれば、心は疲労して当然です。
しかし、人生が戦略的である時、人は自分の心の持ち方を変えることができます。今目の前にある雑多なことが、大きな絵の一部として意味を持ち始めるからです。毎日忙しく、目先のことに追われてしまいがちになるのは理解できますが、人生を戦略的な視点で見てください。いきなり戦略的になれと言われてもピンとこないようであれば、まずは自分の目の前にある『目先のこと』が、なぜあなたにとって『今』やらねばならないことなのかについて、冷静に考えてみてもよいと思います」

日々のやるべき事柄を3つ書き出す

筆者のカイゾン・コーテ氏はアメリカ軍事大学院で修士課程を修め、その直後にアメリカ国防総省情報システム局へ入局。情報部隊のエキスパートとして、国防総省でも保有率わずか1%というサイバーテロスペシャリストのライセンスを取得。現在は国防総省に籍を置きつつ、ディフェンス・ディベロップメント・コンセプス社をベースにセミナー、コンサルティングなどを行っている。

その同氏が先の戦略的思考が大切なことの次に、常に忙しい身にとって日々の課題に引き戻される時に、それを心折れることなく解決する方法について、以下のように話している。
「毎朝その日に絶対に避けられないと自分が決める『やるべき事柄』を3つ、紙に書き出すようにするのです。自らが選んで、そのことを『今日中に終わらせる』と決定したことを自覚する上でも、あえて紙に書き出しましょう。そして、その3つは優先的に終わらせるよう、努力します。3つというタスクは非常に少ないかもしれませんが、自分で決めたことに『結果』が出れば、人間のモチベーションは自然と上がるものです」

計画は絶対ではない

同氏は計画を絶対的なものとして捉えるのでなく。とてもフレキシブルに考えている。それを「計画のリソース化」と呼んでいる。その上で、以下のように言及するのだ。

「計画を絶対的なものにしてしまうと、我々はそこに縛られます。しかし『たたき台』として使えば、実際にミッションを進める過程での計画の効率化や時間の短縮化など見直しも調整も自在になります。このように作業工程の見直しを習慣化できれば、計画は常に進化していきますし、見直し時に自分の行動自体も見直すようにすれば、計画を進めながら自分を鍛えることも可能になるわけです。
計画をそのまま実行しようとしないでください。計画は『柔軟』に扱ってこそ、生きてくるのです。計画を立て、その通りに何がなんでも行動しようとする時、計画というツールの活用度は半減します。どんなに計画を詳細に立てても、予定通りにいかないのが世の常です。私たちの現場でも、物事が描いた通りにいくことは、ほとんどありません。
この根本を忘れてしまい、いたずらに計画を順守することに振り回されてしまう人は、それによって自らを心が折れやすい状況に追い込んでいるという事実に気づきましょう。…」

いかがでしょうか。私は何度読んでも元気が出るように感じます。皆さんにも同じような悩みがある時は是非一読をお勧めします。