自分でコントロールできるP、できないP

今さらあえて言うまでもないかもしれないが、フィリップ・コトラーなどが唱える「4P」はマーケティングミックスにおける代表的なフレームワークだ。
ことさらここで取り上げる必要もないのだが、ちょっと考えさせられることがあったので、それをお伝えできればと思う。

4Pが指すのは、言うまでもなく、Product(製品)、Price(価格)、Promotion(広告)、Place(流通)の4つのPだ。

しかし、中でも製品と価格は自分で考え、自ら設定できるが、広告と流通は、言い換えれば、人に知ってもらい、また、知ってもらうことができてもその製品が店にないと買ってもらえないわけで、自らのコントロール外にあるとも言えるように思う。

内容を知って買うのでない

こんなことを考えるきっかけになったのは、ある会社の出版の機会に立ち会ったことだ。
製品(この場合「本」)は、その内容をどうするかはもちろん本を作る側が決めることだが、それを買う人はその内容をすべて知った上で買うわけではない。本のタイトルなどを見て、「面白そう」と考えて買うわけだ。

つまり、「面白そう」「役に立ちそう」と思わせることが大切で、それが実際に面白いか、役に立つのかは買って読んでみないと分からないわけだ。

価格は、それを買って読んで得られる価値より安くないとダメなわけで、「これは安い」という説明が大切になる。実際にその本は、「社長の言葉を代弁するつもりで書いたので、日本一安い従業員研修です」というのが売り文句になった。

コントロールできなくとも努力は必要

以上、ここまでは自分が出会った人に対して直接売れる要素になるものだ。これに対して、広告、流通は自分の手の届かない人に対して、いかにそれを認知してもらうか、買うことのできる状況を作り出せるかということだ。

広告と言えば、「金をドブに捨てるようなもの」と嫌う人もいるかもしれないが、金をかけるかけないは別にして、「知ってもらう」という努力は必要だ。

何もお金をかけなくともちょっとした工夫で認知を広げることはできる。知り合いの新聞記者に書評を書いてもらうのもその一つ。
今回はそれに加えて、関係者からの注文を一つにまとめ、それを目星をつけた書店にまとめて発注し、店の週間ベストセラーに載るようにしたりした。

「伝える」ことの大切さ


流通でも、その目星をつけた書店においてたとえ一時ではあってもベストセラーになることで、周辺の店舗にも置いてもらえたりするようになった。

これまでは、正直、「4P」と聞いても、「まあそんなこともあるだろう」程度にしか考えなかったが、実際に則して考えてみると、その大切さを実感として感じることができた。何より、その奥の深いことに感動した。

本のタイトルにしても、だから著者と言えどもなかなか自由にはならないことが多いと聞く。タイトル次第で売り上げが変わるから、出版社は必死なのだ。そして、伝えることの大切さ。これがないと自分の独りよがりに終わってしまう。当たり前のことばかりだが、再確認させられた出来事だった。