ターゲットは設定されていますか

マーケティングの現場で耳にすることの多い「ペルソナ」。
様々なところでペルソナの設定で成功した企業の例が報告されているが、「実際にしっかりとペルソナの設定をしている企業は多くないのが実態」と福村環境デザイン研究室の福村保室長は話す。

ペルソナとはマーケティングにおいては、「企業が提供する製品・サービスにとって最も重要で象徴的なモデル」の意味で使われている。
氏名、年齢、性別、居住地などの定量的なデータだけでなく、その人の生い立ち、身体的特徴、性格、価値観など定性的なデータまで設定し、イメージを高めるために顔写真が用いられる場合もある。

「大体」で終わっていませんか

まず、その人物設定をする際に「大体」で終わっている企業が多いという。
「もしある商品をよく知っている友人に売る場合、どの部分をどう伝えれば良いか思い浮かぶはず。一方でざっくりと〇代の年齢の人に売ってくださいと言われても、戸惑うはずです」。

ユーザーに伝わらないメッセージを送ってしまう要因のほとんどがターゲットを明確にできていないことによって発生する。

しかし、そのペルソナの設定の前提として、「自社に都合が良いだけの理想の顧客像を描かない。実在する人物がいるかのようなリアリティのある人物像を描く」ことが大切と説く。

実際の設定に当たっては、ユーザーにインタビューしたり、アンケートを実施する。
また、B to Bの事業であれば、実際のユーザーに接している営業担当者に聞いてみるのも有効と言う。

グルーピングして輪郭を浮かび上がらせる

そうして集めたデータを次にグルーピングする。

インタビューなどで分かったユーザーの特徴的な考え方や思考、生活スタイルなどを付箋などに書き出す。
そして、例えばスマホの利用状況や商品を選ぶときの基準、市場の動向など、関連性が高いものを項目ごとにまとめていく。

グルーピングの作業を終えると、ターゲットの輪郭がなんとなく見えてくる。
そこに細かい属性情報や生活スタイルなどを情報として加えていくことで、輪郭をよりはっきりさせ、具体的な一人のユーザーとして浮かび上がらせるのだ。

そうして設定したペルソナも一度設定して終わりではない。
時間が経てばユーザーの動向も変わるし、サービスが変化すると同時にターゲットも若干変わる可能性もある。
見直しは常に必要だ。

平均値で考えない

マーケティングやサイトの運営をしている方は実感したことがあるかもしれないが、「サイトのページビューが〇万になった」「〇件のコンバージョン(ウエブサイトから実際に申し込みを獲得した数)を獲得した」といったユーザーを数値で考える感覚に陥ることがあるが、目の前の数値を達成するために、ユーザーのためにならないことを考えるのは本末転倒と言える。


ペルソナを見て、「その施策はこの人が喜ぶのか」と常に振り返ることで、判断基準を一定に保つ。心したいのは「平均値で考えない」ということ。最初は面倒に感じるかもしれないが、その時は恋人にラブレターを書くときの気持ちを思い起こしてみるべきだ。