定常業務は部下に任せる

管理職の役割は何かと問われたら、「経営方針の管理」「イレギュラーの処理」「人材育成」の3つを挙げるようにしている。
せっかく入社した新入社員が、「3年で3割が辞める」と言われる原因の一つも、この管理職の仕事のあり方にあると考えている。
管理職が忙しいあまりに、直接、間接を含めた新入社員の教育にまで手が行き渡っていないのではないか。

普通、管理職と言っても、プレイングマネージャー的に働いていることが多い。
忙しくなるのも当然だが、基本的に定常業務は部下の役割であることを前提として取り組むべきだろう。

管理職が何でも抱えて忙しく立ち回っているだけでは部下は育たない。
人をうまく活用することを常に考え行動しなければならない。

イレギュラーの基準を作る

まず「経営方針の管理」を考えてみる。

ここは経営者と一般の社員との間に立ち、パイプ役として両社を結びつけなければならない。
経営者が定めた戦略を社員へ定常業務や具体的なテーマとして周知徹底し、個人ごとに計画的に推進できるようにマネジメントサイクル(PDCA)を速く回していくことだ。

次に「イレギュラーの処理」だ。
しかし、その前にどこまでが正常で、どこからがイレギュラー、つまり異常なのかの基準を決めておかねばならない。

それがないと、不祥事が起きた際も、対策が後手になり、部下との間に余計な時間と摩擦を生むことになる。
基準があれば管理も容易になり、担当者に安心して業務を任せることができる。

まずは声かけから

そして、「人材育成」である。
私はその基本は「報・連・相(報告・連絡・相談)」にあると思っている。

これは一見簡単そうだが、実はそうでないことは皆さんもご存知だろう。
大体、悪い報告は上司に報告せずに済ませたいものだし、仲間へのライバル意識からも良い情報は独り占めしたくなるものだ。


そこで、管理職は部下からの行動を待つのではなく、自分の方から積極的に声掛けをしていくのはどうだろう。

「おい、あれはどうなっている」「大丈夫か」「変わったことはないか」と声を掛けることで、上司と部下の間に話しができる雰囲気が生まれる。報連相はそれからの方が良いかも知れない。

自発性を育てる

今日、「OJT崩壊」なることも言われているが、根っこは上司と部下の信頼関係であり、対話である。

つまり、対話を復活させることで、自然に信頼関係も生まれ、OJTも可能になる。
OJTが機能してくれば、人材育成も日常業務をこなしていく中から自然にできてくるようになる。

よって管理職たるものは、職場環境の気配りも忘れないで欲しい。

内部統制と合わせて考えられることも多いが、内部統制は社員を縛るものでなく、どこにリスクがあるのか自分たちで自覚することでミスや不正を防いでいこうという、自発性を育てるものだ。
管理職はその自発性を育てなければならない。