予見が難しい時代

新型コロナウイルス関連の経営破綻が全国で396件、中でも東京都では100件に達したという調査結果があったばかりだ。飲食、アパレル関連、宿泊業が突出しているといわれる。数字は負債が1000万円以上を対象にしているので、私の知りあいが多い個人事業主なども対象に入れるとその何倍もの数字になるのに違いない。私が個人的に親しくさせていただき、外国人観光客を対象に観光案内業を営んでいる方は、コロナ前まではまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、関東と関西の主な観光地に支店まで設けようとしていたのに、今はまったく見る影もない。音沙汰も無くなりどうしているのかまったく分からない。

新型コロナウイルスの感染拡大を予想した人なんて、1年前には誰一人いなかった。そんなことを言ったところで、経営者としての責任が軽くなるわけでもないが、つい愚痴の一つも口からついて出てくる。しかし、それでも生き残るためにそれぞれの企業でいろいろ工夫が試されているのが現実だ。答えはなかなか見つかるわけではないが、それぞれの企業の経営者は何を手掛かりに生き残りを図ろうとしているのか。こんな時、何を手掛かりに経営すればいいのか。答えは1つではないだろうが、ある中小事業者が追求していることを参考までに紹介したい。

社会の役に立つ

その中小事業者は「社会起業家」として紹介されることが多いようだが、要するに途上国で身の回りの品をつくってそれを日本で販売することで、途上国の貧困層の支援を行っている。社会貢献とビジネスの両立を図っているのが特徴とされる。しかし、この企業に限らず本来、どんなビジネスであっても社会性のないものなんてないはずだ。極端な話、人を雇って、その社員本人や家族を支えているだけで、あるいは税金を払って地域や国の運営を手助けしているだけで社会性は持っている。どんな仕事でも世の中の一部に何等かの貢献をしている。それは起業の際に最もよく考えるところでもある。

最初は何のために起業するのか、その理想や情熱が明確だったはずだ。しかし、大体は仕事を長く続ける中でそれが薄れてしまったり、あきらめてしまったりしてしまう。今回のコロナでも、その影響を避けようとして、あるいは影響があったことを取り戻そうとして、本来の目的から外れたことに手を出したりしていると、なおさら最初の理想から離れていってしまうことは珍しいことではない。その「社会起業家」は、それが薄れることなく、逆に年数を経るごとにそれが強くなっていっている。何故そんなことが可能なのか、それは以下の3つのことを大事にしているからだという。

ビジョンは大きいほど良い

まず最初に、掲げるビジョンが大きいことが挙げられる。ビジョンを作るときに、それが大きいか小さいか、数年後も輝いているビジョンなのか、共感してもらえるものなのか、などといったことはあまり考えないものなのかもしれない。しかし、この社会起業家はビジョンがそれぞれの起業家、経営者の「ライフワーク」になり得るものなのか、ということを徹底的に考え抜くべきだと指摘している。そして、ビジョンは大きいほど、長続きするものだとも。例えば、「地域で一番店を目指す」というビジョンを掲げたとする。その地域がどの程度のエリアを指すのかはあるが、場合によっては、1年後にもそのビジョンは実現しているかもしれない。

すぐに実現するビジョンでは、その後、それ以上に自分自身を鼓舞することはできない。言ってみれば、方向性がその時点でなくなってしまうのだ。肝心なことは、ビジョンなるものは、自分をどこまでも引っ張っていってくれるものである方が良いのではないかということだ。これが動機の持続性に欠かせない。しかし、逆に大きなビジョンを描けば描くほど、そのゴールの遠さ故に気持がへこんでしまうこともありそうだ。そうならないように、先ほどの社会起業家は、ビジョンを小刻みにしてきたそうだ。これが2つ目のポイントだ。そうすることで、今自分がビジョンのどの当たりにいるのかを常に明確にしてきた。

ワクワク、ドキドキをいつも心に

そして、最後のポイントは、そのビジョンを追う途中で生まれる夢も追加するということだった。ビジョンが決まったからといって、それだけに集中しなければならないなんてことはない。それではちょっとつまらない。途中で「あ、こんなこともできたらいいな」という気づきが生まれることはある。それも大切にすることでモチベーションが加わる。どんどん柔軟にビジョンに加えることで、そこに大きなシナジーが生まれるかもしれない。もちろん失敗する可能性だってあるが、とにかく少なくとも「ワクワク」「ドキドキ」して心をいつも旬に保ちながら働くことができる。

繰り返しになるが、誰かの仕事を生み出し、商品・サービスを生んでいる時点で、どんな企業、どんな仕事も社会貢献はしている。もちろん、日々の仕事の意思決定ではどうしても社会性を犠牲にしてしまう場面もあるだろう。しかし、大手企業ならその社会性を意識して公にすることも多いが、中小や個人事業主がそうした社会性を訴えることはまだまだ珍しい。ひょっとしたら自分たちの持つ社会性に気づいていないことさえあるのかもしれない。事業がうまく行かない時ほど、そうしたことを振り返ることは大切だろう。新たな気づきが得られれば社員の結束も固くなり、そこから突破口が見えてくるかもしれない。

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