本当にそれは見込み客?

日頃「見込み客」という言葉が余りに安易に使われているように感じる。「あの人は私と古くからの知り合いで有望な見込み客なんです」「あの企業の担当者とは先日の会合で知り合い名刺交換していて、早速見込み客リストに上げておきました」…など。いずれも「潜在顧客」との差が曖昧で、見込み客にまでなっていないのではという疑問が残る。では潜在顧客と見込み客との違いは何かというと、それは潜在顧客がまだ自社の商品やサービスのことを知らなかったり、必要性を感じていない顧客なのに対し、見込み客は、自社の商品やサービスに興味があり、いずれ購入の可能性のある顧客を指す。

要は自社の商品やサービスを知ったうえで、それに興味を持っているのかどうかということだ。ただ単に名刺交換してこちらが勝手に片思いを寄せているだけでは、見込み客には該当しない。異業種交流会でも名刺を集めるだけ集めて、後生大事にリスト化しているだけではただ潜在顧客を集めている域を出ていない。こうした相手には、まず自社の商品やサービスを知ってもらう努力が必要になる。ところが、私にも経験があるのだが、潜在顧客から見込み客を作ろうとする時、可能性がほとんどないと思われる客でも、それを「将来の見込み客」として残してしまうことが多い。リストから外す勇気がないのだ。

絞り込みの大切さ

当たり前のことを言うようだが、人生も仕事も時間には限りがある。成果を上げようとするなら、「何に時間を使うか」が最も重要になる。限りある時間を有効に使うには、確実に成果が得られるように使いたいと誰しもが思う。営業が「売上」という成果を得るためには、可能な限り顧客との面談に時間を費やすべきなのだ。移動やオフィス内での雑務にいくら時間をかけても、売上が上がることはない。しかし、顧客との面談時間がただ単に多ければ売上が上がるわけでもない。売上につながる可能性のない顧客との面談は、残念ながら時間のムダだ。

私にも苦い経験はたくさんある。私の経験の中で、営業を行ったことはあまりないのでえらそうなことは言えないのだが、それでもわずかながらかじったことはある。各種の会合などで名刺交換をして、その場の雰囲気から意見の合いそうな方々を「見込み客」と見なし、何度も会う口実を作って売り込みに行ったりした。そんな時、相手も忙しい身であることを重々承知の上、一度の時間はそんなに多くは取らなくても、回数を重ねることに意味があると思っていた。でも会うたびに何か宿題のようなものを出されることはあっても、そこから営業の成果が上がることはまずなかった。

1回の商談で決める

多くの保険のトップセールスマンに、フランク・ベドガーの「私はどうして販売外交に成功したか」(ダイヤモンド社)という本が愛読されているそうだ。そこでベドガーは自分のセールスでの行動を記録した結果、以下のようなことが分かったと記述している。少し長くなるが引用するのをお許し願う。

「記録の示すところによると、私の契約高のうち70%までは、たった一回の面談によって得たもので、23%は2回の面談であり、7%は3回以上面談して得た契約である。しかしここで注意しなければならないことは、私の時間の50%までは契約高の7%に相当する取引を得るために費やされていたのである。そこで『7%の取引をするために、なぜこんなに手数がかかるのだろうか、そして1回と2回の面談だけで契約の取れる取引に対して、なぜ私の時間の全部を当てないのか』と考えてみた。こうして、自分の行動を細かく分析した結果、これまで1訪問当たり2ドル30セントの収入が、4ドル27セントまで増加することになったのである」。

貴重な時間を実際の売上に結び付けるには、可能性の低い顧客をいったん切る勇気を持たなければならないということだ。

幻想にしがみついていない?

営業成績の振るわない人は、以前の私のように、買う可能性の低い顧客にいつまでもしがみついているのではないか。そんな顧客にはいったん見切りをつけて、葉書やメルマガなどで緩やかな接触を保ちながら、大切な時間を可能性の高い次の顧客に費やすことが賢明と言えそうだ。

営業が扱う商品は高額なものが対象なことが多い。安いものであればお客さんが勝手に選んで自分で買っていくからだ。その高額なものを1回の商談で顧客の心をつかみ、商品の説明をし、最後にクロージングまで持っていくのはなかなか困難なことが想像される。しかし、実際に周囲の高成績を上げている営業の方に聞いても、顧客に考える時間を与えすぎると感情的に冷めてしまい、断られる可能性が高くなるという。

もちろん、何でもかんでも即決を迫れば良いというのでもなかろうが、逆に時間をかけて説明すれば買ってもらえるという考えは、成績の振るわない営業の方の典型的な考え方だといえそうだ。もっと言えば、それはただの「幻想」かもしれない。再度自分の営業スタイルを再考してみてはいかがだろうか。

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