やっかいな「やる気」の波

「何故だかやる気が出ない」、というときは誰にでもあると思う。かくいう私も時々、そういう状態に陥る。そんな気分をじっとやり過ごす余裕のある方はそれで悩むこともないのだろうが、こっちは残念ながらそんな身分でもない。だから焦る気分も同時に起こる。起こるのだが、やっぱりやる気は出ない。その原因がはっきり分かっていればそれを取り除いてやれば済むはずだ。例えば、身体が疲れているとか特定の気になることを抱えているとかの場合、身体をちょっと休めたり、その特定の気になっていることを手早く解決したりすると、普段のペースが取り戻せるはずだが、特段そんな理由もない。こんな時、皆さんはどうされるだろうか。

周囲の若い独身の女性に聞くと、そんな時は旅行だという。なるほど。仕事が心配でもそんな時は思い切って、逆にそれに取り掛かることができないほど、どこか遠くへ遊びに行きますか。でも、それにはお金も必要だろうし、携帯電話というものがある。どんなに遠くへ逃げても、今の世の中、携帯電話を持ち歩いている以上は逃げおおせるものではない。便利なようでいて、こんな時は普段コミュニケーションを助けてくれているはずの携帯電話というものが恨めしく思われる。

達成感を思い起こす

だから、私がそんな気分に陥った時、まず、そもそも今、本当にやらなければならないことは何なのかを再考することにしている。中には1週間後でも構わないものがあると、迷わずそんな仕事は後に回す。そして、どうしても今取り掛からないとまずい仕事だけを残す。次にその中から重要度と難易度に応じてそれぞれに順番をつける。そうして、その順番通りに仕事に取り掛かるのだが、その時、皆さんはどれから手を付けるのが良いと思いますか?多分、優等生の答えは重要度が高く、難易度も高いものから処理をするとなるのだろうが、私は違う。

もちろん、優等生のように事が進めばそれに越したことはないのだろうが、やる気が出ない時に、いくら重要だからと言って、難易度の高いものから順番に取り掛かれるのなら、誰も苦労はしない。ここはやはり簡単なものから片付けていくのに限る。簡単なものから片付けることで、徐々に今抱えている負荷を減らすのと同時に、自分の頭の中に仕事の達成感を思い出させる。何ならその時、「ここまでできれば30分休憩」とか「コーヒーを飲む」とかの具体的な「ご褒美」を自分に与えることを頭に描くと効果的かもしれない。要するに馬に人参をぶら下げるのと同じだ。

タスクを細分化する

こうして徐々に難易度の高いものに取り掛かれるようにすれば良いのだが、もともとやる気が起らなかった原因が、この難易度の高いタスク1つを抱えていたからということもある。つまりこの難易度の高いタスクがやる気を削いでいた場合はどうすれば良いだろう。

そんな時、私はその難易度の高いタスクを、できるだけ細かく細分化していく。そして、一つ一つのハードルをできるだけ低くする。例えば、①「必要な資料をそろえる」→②「資料を読み込む」→③「資料の中から必要な個所を抜き取る」→④「データをグラフ化する」→⑤「コメントを作成する」→⑥「発表資料にまとめる」といった具合だ。そうすると、はじめ「〇〇についての発表資料を作らなければならない」と漠然と悩んでいたことも、自分のしなければならないことが明確になり、余計な心配がなくなる。

それぞれの低くしたハードルに向かって、とにかく最初5分間だけでもいいから当たってみることが肝要だ。逆に言うと、最初5分間でも当たってみようと思えるようにタスクを細分化するのだ。細分化したタスクの一つ一つは簡単になっているはずだから、それらを越えていくことでリズムが作れる。もともと、「やる気が出ない」などという霧のような存在は、この達成のリズムさえつかめれば自然と消えてなくなることが多いように感じている。

「やりたい」と願う思いの背後

「やる気がでない」ということが問題になるのは、そのやる気がでないタスクを自分が本当にどれだけ「やりたい」と思っているのかという意識に関わっている。これまで述べたように、それが仕事に関わることであれば、否が応でもやらねばならないのだから、そのために上記のような対策も意味を持ってくる。しかし、「もう少し痩せたい」「毎朝ランニングする」といったことの実行は、それをしなければ何か困ることがあるといったことが身近になければ、なかなか難しい。もしやらなくても問題にならないのなら、始めからそんなことで悩む必要もない。

それでも本当にそのことをやりたいのなら、「痩せた後には何ができるのか」「毎朝のランニングを続けることで何がどう変わるのか」をできるだけ具体的に思い浮かべることが効果的かもしれない。「スマートになった自分が新しい恋人とデートしている姿」を思い浮かべることで、猛烈にやる気の沸く人もいるだろう。もともと課題を設定したときに目的があったはずだが、それをできるだけ現実に置き換えてやるのだ。それでも途中で挫折するのはその思いが弱かったのだろう。そこは各自で考えてもらうより仕方がないかな。

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