待っていても与えられない

大企業と中堅・中小企業の格差問題は今に始まったことではない。給与、パソコンやスマホなどの装備、働く時間、その他の待遇、いろいろな働く条件を比べても、中堅・中小企業のそれは大企業より劣っていることが多い。しかし、それを自分の何かできないことの言い訳にするのは間違っている。そんなことをしている限り、その人は一生できないことの言い訳をし続けることになる。

少し前にGoogleの働き方がもてはやされた時があった。Googleが社員のアイデア活性化のために設けた「20%の自由時間」は日本でも有名で、知っている人も多いだろう。大手企業の中には、それを真似たところさえある。企業としてそうした仕組みを作ることで、革新的な社風を維持し、将来への発展につなげようとしているのだろう。Googleなら、あるいはそれを真似た大手企業ならそんな余裕もあるのだろう。しかし、中堅・中小企業にはそのような余裕のないところがほとんどだ。もちろん起業したばかり人たちにとっても多くは似たような状況にある。

しかし、だからといって、「いいなあ、大企業は。うちの会社では到底無理だ」とあきらめる人がいたとすれば、それは悲しい。少し違うのではないかとも思う。人に与えられるのをじっと待つくらい、つらいことはない。「自由な時間をくれないかな」と受け身でいたら、増えるのは時間ではなくストレスだけだ。

自分から工夫して時間を作る

時間が欲しければ、自分から働き方を工夫して時間を作れないか、やり方を考えてみよう。そして考えたらやってみる。これが時間を作る一番の早道だ。そもそも大企業においてもそれくらい積極的でないと、せっかくの自由時間を持て余すに決まっている。自分のための時間を確保するために工夫をすれば、働き方も積極的になり、いわゆる「指示待ち」ではなく自ら仕事を生み出せるようになるはずだ。

「このやり方なら効率が良くなるのではないか」「この方法にすればもっとお客様を喜ばすことができるのではないか」というように考え出せるようになれば、仕事でも任せてもらえる部分が増えて、一層自分の時間を確保しやすくなるという好循環を生み出すことができるように思う。

時間を作るには、不要な時間を削るやり方と、時間の使い方を工夫するやり方の2通りがある。いずれも自分の生活、仕事の仕方を見直して、時間を管理する、設計するという視点が大切だ。

時間を削る

まず、その時間を削るやり方の中にもいろいろ方法はある。
その1つは、食事をする時間や寝る時間を削減することだ。私の場合、食事の時間は、特に1人で食べる時などはできるだけ短時間で済ませる。睡眠時間の確保は健康上最優先事項なので、睡眠の質を上げることを考えてみよう。私は毎日最低7時間は確保しないと体が続かないように感じていて、加えて、寝る時はできるだけスムーズに寝着くことができるよう就寝前に体操などを行っている。

2つ目は常に目的を持って時間を過ごすこと。つまり無益な時間を送らないことだ。休むための時間がムダだと言っているのではない。休み時間としてとっているのに遊んでしまい、却って疲れが溜まって仕事に集中できないというような時間を無くそうというのだ。

3つ目に時間が足りないと嘆く人に多いのは、アウトプットの割に情報のインプットに割いている時間が多いことだ。会議や集会などへの参加や人との付き合いも取捨選択して、必ず目的意識を明確に持つようにすること。逆にそれがはっきりしないようであれば、出席したり、わざわざ時間を取る必要はないと考えるべきだ。

そして最後に、隙間時間を減らすか、その有効利用を考えるべきだ。その最たるものが移動時間だ。営業関係の仕事だとよく「今日は100㎞移動した」「どこからどこまで2往復した」とか、動き回った距離や時間を自慢する人がいるが笑止千万だ。移動距離より実際の営業に割いた時間が大切なはずで、できるだけ移動に割く時間を減らすために、例えばエリアを決めて効率的に回るようにすべきだ。

集中できる時間には限界がある

そうして時間を削りながら、時間の使い方を工夫する。時間の使い方でポイントになるのが集中できる時間の長さだ。人が集中できる時間の長さは諸説あるようで一概に〇分とか〇時間とかいうのは難しそうだが、例えば、私なら3時間以上同じ仕事を続けていると集中力が落ちてくるのが分かる。しかも朝方の人間なので、毎日、集中力が必要な仕事は午前中に片付けるようにしていて、午後からは主に会議や打ち合わせなど、「人と会う時間」に充てている。しかし、それもやはり3時間ほどするとくたくたになるような気がしていて、その後はまた社内的な仕事に割り当てるようにしている。

このようにして、毎日の仕事の時間として設定されている例えば8時間という時間を、どう使うのかを自分なりに設計してみることだ。これは業界によっても、会社によっても、職種によっても異なってくるはずだ。外部の事情から自分が考えた通りの時間の使い方ができるとは限らないが、しかし、「できる」「できない」は別にして、「これが自分の時間の使い方だ」というのは持っておいた方が良い。考えて、自分のできる範囲で良いから少しずつでも試していけば、そのうち自分に合った時間配分が感覚的に分かるようになってくる。それを実行することができれば、きっと充実した時間を過ごせるようになる。