見込み顧客に近い層にアプローチできる

リスティング広告というものがある。日本語では検索連動型広告と呼ばれる。Yahoo!でもGoogleでも細かな表示の違いはあるものの、顧客がインターネットの検索窓からキーワードを入力し、検索した後に出てくる広告のことだ。こうした有料広告枠は、顧客が検索した内容に合わせて表示されるため、ユーザーにとっての利便性も高い。さらに、企業から見た時も、見込み顧客に近い層にアプローチできるため、とても効果的な手法になっている。

このリスティング広告は先ほども述べたように顧客の検索行動に合わせて表示されるため、私などは始めの頃、それが広告だと思わないままクリックしてしまうことがあった。Googleならそれが広告であることを認知できるように小さく「広告」と表示はしているが、Yahoo!やGoogleから見ればリスティング広告と自然検索をできるだけ違和感なく表示しようとしているように見える。そして、そのような顧客のニーズに応えながら広告を表示する手法こそが、リスティング広告に注目を集めさせる結果となっているのだろう。

設定する単語には工夫が必要

検索行動をとる顧客には、当然その検索する単語について強いニーズを持っていることが推測できるため、成約にも結びつきやすい。一方でライバルも同じように広告をかけようとするので、需要が高い単語にはオークション形式で単価も高くなる。例えば、「会社設立」といった単語には今のところ1クリック1273円もの価格が付いている。どの単語が1クリック当たりどの程度の価格になるのかは、キーワードプランナーを使えばすぐに分かるようになっている。多くの単語は50円から200円くらいに収まるようだが、高いものだと先ほどの例のように1000円を超えることも珍しくない。

例えば、「転職」の1クリック価格は1199円(推定月間検索数は10~100万)、「カード」&「ローン」では4468円(同1万~10万)、「不動産」&「投資」では1279円(同1万~10万)、「脱毛」では1700円(同1万~10万)などとなっている。クリック率やコンバージョン(成約)率は業界や対象となる商材によってもまったく異なる。さらに、例えば税理士や社会保険労務士などの先生業の場合、その提供するサービスの単価が高く、何百人、何千人という顧客をとる必要がないことが多いので、月間検索数が少なくても、単価が低い単語を狙った方が良いこともある。

柔軟に対応が可能

すでにSEO対策をある程度行っている者から見れば、あえてリスティング広告に手を出す必要性が認められないかもしれない。確かに、SEOとリスティングの基本的な考えは共通している。つまり、ニーズのある言葉を探し出し、それに対して情報を提供するということだ。

しかし、大きく違うところがある。それはリスティング広告は収支の計算さえつけば、ある程度短期間で効果を上げやすいということだ。たとえ考えられる十分なSEO対策を施したとしても、効果の保証はないし、たとえ効果が出るとしても、そこに至るまである程度時間を要するのはどうしようもない。それがリスティング広告を使えば、費用さえ増やしていけば顧客の目に多く触れさせることができるし、保証はなくともすぐに顧客を増やすことも可能なのだ。

それに加え、例えばイベントを設けた時、それに合わせたランディングページを作ったとする。もし検索エンジンでそのページに誘導しようとしても、コンテンツを作り込み、リンクを仕込んだとしても、なかなかイベントのタイミングに合わせて効果を得ることは難しい。でも、リスティング広告ならそれができるのだ。

きちんとした成果管理が必要

友人が経営する社会保険労務士事務所では実際にリスティング広告を利用しており、「派遣」&「許可」の単語で1クリック262円(月間検索数210)、「人材派遣」&「免許」で1クリック379円(同170)、「派遣」&「許可申請」で1クリック190円(同70)だという。「他に広告を出しているライバルが少なく、依頼前提で検索してくることが多いので、成約につながりやすい」と成果を上げている。

最期になったが、リスティングなどの広告を利用する場合は、特に何を成果の指標にするのかということを決めておかねばならない。普通にイメージされるのは、契約につながることになるのかもしれないが、そうでなくても例えば(無料)セミナーへの参加数などというのが大切になる場合もあるだろう。

また、これもリスティング広告に限った話ではないが、こうした広告をROI(投資利益率)を用いて管理するのも一般的に必要だ。念のために言っておくと、これは利益÷投資コストで計算される指標で、投資額(今の場合広告費)に対してどれだけ利益を生み出しているのかを見る。どんぶり勘定にならないように、予算が少ないのであれば、場合によってはYahoo!とGoogleの両方で始めるのでなく、最初はGoogleだけに絞るといったような判断も必要だろう。