ブランド強化は生き残りの鍵

様々な業界、企業でブランド力の強化が急がれている。特に海外からの安い品物が多く輸入されるようになって、自社商品やサービスのブランド力を付けないと価格で対抗せざるを得なくなる。当然のことながら経営は苦しくなる。苦しくなるだけならまだしも、倒産まで追い込まれるのが多いのが現状だ。それは企業の大小に関わらない。大手企業の下請け的な仕事をしていて最終の自社商品やサービス品を持たない中小企業であっても、「この会社がなければ成り立たない」という仕事をしている企業は、業種に限らず存在しているものだ。「『○○会社』で作ったものなら」という「ブランド力」を持つか持たないかが、将来の生き残りを左右する。

ブランドが強化されると、顧客の「買いたい」という思いが強くなる。もちろん売り上げが伸びるだけではない。ブランドイメージの良い製品であれば、類似の他社製品があっても高い価格で買ってもらえるようになる。ブランド物のバッグやアクセサリーといった商品が定価で売られるのはその最たる例である。企業ブランドが向上すると、「この会社の製品なら信頼できるので、他の製品も買おう」という意識も生まれる。「○○の製品なら〇年は持つだろう」といった思い込みも同様だ。

ブランドは様々なメリットにつながる

従業員にとっては、ブランド力の高い企業で働くことが誇りや自信となり、仕事に対するモチベーションが高まる。その結果、離職率は低くなり、優秀な社員が長く活躍してくれるようになる。最近では大手であっても人手不足から逃れられない時代だが、ブランド力で「この会社で働きたい」という人も増えるため。人材募集に際しても比較的苦労しなくて済むようになる。今は多少大企業に比べて待遇面で及ばない中小企業であっても、ブランド力をかざすことでその企業の将来性を見てもらえるようになるのだ。

だからブランド力が低い企業と高い企業とでは、その実力に大きな差が生まれる。だから中小企業であってもブランドの強化を図ることは大きな課題だ。しかし、その効果は一朝一夕には現れない。何よりブランドイメージは企業が決めるものではなく、企業の商品やサービスを利用する消費者が持つものだからだ。企業の狙った通りのブランドイメージを作れるのなら苦労はいらない。ブランドの認知は消費者の同意があって初めてなされるものなのに、消費者の心の中はコントロールできない。お金をかけたからそれ相応の効果があるとは限らないのだ。

ブランドイメージが統一されていない不幸

「すてきなデザインだったので買ったのにすぐに壊れてしまった」「子供向けの商品かと思って購入したのに実際は大人でも扱うことが難しかった」「高級そうに見えた店に入ったのに、店員のサービスが悪くてがっかりした」などの経験をした人も多いだろう。ブランドイメージが実際の製品やサービスと合っていないのだ。そんなちぐはぐなことをしていては、一時的にそれらが売れはしても繰り返し買ってもらったり来店してもらう行動にはつながらない。

「ブランドマネージャー」という職種がある。ブランドマネージャーは製品の開発・製造から広告制作、プロモーション、営業に至るまでが関わっていく。そうして実際にあるべきブランドイメージの実現に取り組み、消費者から見たイメージと実質を一致させるのだ。そして消費者のブランドロイヤリティを高めることに努める。大企業ではよく見られる職種だ。一般によく知られるファッションにおけるブランドは、個性がより求められるため、他業界より差別化の価値が高いとされており、ブランド戦略が成り立ちやすい。このファッション業界におけるブランドの作成過程は他の業界でも参考にできるのではないか。

中身も外見と同様に大切

ブランドは、一般に表から見えるデザインや企業ロゴなどの部分にのみ注目される印象が強い。しかし、ブランドを作るには、まずその中心となる基本的な価値を決めなければならない。その製品やサービスの質を決めるのだ。その製品やサービスがどの程度の質を求めるのか。最高級のものなのか、中程度を狙うのか、それともその下を狙ったものにするのかといったことだ。

次に大切なのは、ブランドの分析だ。自社の製品やサービスを狙った基本的な価値の中で他社とどう差別化するのかということ。そして、その分析に従って、的確に情報を発信することが求められる。そして、製品やサービスの特徴を捉えて広告やWebサイトなどを制作していく。最後に製品の包装の仕方やアフターサービスの仕方などの周辺価値を合わせることだ。これらの価値がすべて整えられて強化される時、消費者から信頼を得て、継続して買ってもらえるようになる。

これらの行動は決して一部門、優秀な一社員がいてできることではない。どうしても必要なのは、経営者トップの後ろ盾である。それなくしては、企業それぞれに持つ縦割りの組織に阻まれることになる。トップは強い意思を持って、推進していくことが必要だ。合わせて、社員の多くが協力してくれるような社風や仕組みづくりも欠かせない。

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