体の調子が判断力に影響

特に今年の夏は暑かった。「酷暑」なる言葉も生まれたほどに、私が住む地域では気温が37度、38度の日が続いたが、全国的には40度を超えたところもあった。これほど暑くなると、当然のごとく外での作業は極力避けるようにしてきたが、ここにきて夏バテかなと思うような体のダルさを感じる日が続いている。私のような外での作業を避けてきたものでさえそうなのだから、連日うだるような暑さの中で作業をし続けなければならなかった人たちはどうなのだろう。

体の調子が悪いと、普段の仕事における判断力でもつい弱気になることがある。これは私だけではなく、「心と体のエネルギー」の問題として広く知られていることなので皆さんも一度は耳にされたことはあるだろう。体が疲れていると些細な事でも深刻に受け止める傾向にあり、そういう時は、ゆっくりと風呂に入ってその後十分な睡眠をとることで、「それほど大したことではなかった」と振り返ることができるというものだ。気分転換に汗を流すこともお勧めだそうで、自分自身へのケアは欠かせない。

早食いはダメ

体調管理という面で言うと、先日、腰痛で医者にかかった時のことだった。「年(のせい)かな」とため息をついたら、医者が「いえ、お腹の脂肪です」と言う。自慢じゃないが、年齢とともにお腹が出っ張ってきている私は、それでもあまり気にしていなかったのだが、その医者は「お腹が出ることでバランスを取るために背中が沿った姿勢になり、それが腰痛の原因になっている」という。脂肪の中でも欧米人に多い皮下脂肪と違って日本人を含むアジア系に多い内臓脂肪は生活習慣病全般に関係するため、減らすに越したことはないそうだ。

減らすためには、そもそも脂肪を取り過ぎないようにするか、とり過ぎた内臓脂肪を燃焼させるために運動をするかのどちらかだと言う。私の食事は、朝夕は家でとることが多く、一番の問題と言われたのが昼食だった。昼食はどうしても付き合いで肉料理を食べたり、大好きな揚げ物を食べることが多い。そして、何より問題とされたのが、私の自慢でもあった「早食い」だった。早食いは脳の満腹中枢が働く前に食べてしまうことになるので、その気はなくてもどうしても大食いにつながってしまうようだ。医者からは、定食であっても、サラダ類から食べるようにきつく言い渡された。

自分へのご褒美は食べ物以外で

内臓脂肪の1㎏は7000Kカロリー、お腹周りで言うと1cmの長さに相当するそうだ。ご飯を少なめにすることで1日80Kカロリー減らすことができ、それを毎日続けると1年で内臓脂肪を4.2㎏、つまりお腹周りが4.2cmも減らせる計算になる。お腹周りで4cmも減るというのは大きい。でも、逆に考えると、毎日少し多めにご飯を食べてしまうだけで1年で4cmもお腹周りが増えることでもある。私などは、ちょこちょこ言い訳を作って、自分へのご褒美として食べることが多いが、それがまったくご褒美になっていないわけになる。ちょっとショックだ。

食べることで調整をするのが難しいようなら運動をということになるが、お腹をへこますためにすると思っていた腹筋運動などは有酸素運動ではないので、それだけでは効果は薄いと言う。ジョギングや、早歩きのような有酸素運動と組み合わせることで初めて効果も出るそうだ。このこともショックだったとは言っても、別に毎日腹筋運動をしていたわけでないので片腹痛いのだが。とにかく、一日30分、細切れでも良いので週5日仕事の途中でも早歩きを心がけるように注意をされた。ちなみに犬の散歩のようなダラダラした歩き方では効果はないそうだ。

男性ホルモンは働きざかりに少ない

こうした運動は男性ホルモンの分泌を促す働きがあるそうだ。男性ホルモンが多いと意欲ややる気が出てきたり、疲れにくくなるなどの効果があると言う。そうだと「疲れたから運動しない」というのでなく、「疲れたから運動する」という方が正しいのかな。「本当かな?」と思わないわけではないが、あまり言って失礼になると困るので止めておく。しかし、気になるのは、男性ホルモンは「(年齢の上下より)働きざかりの人の方が少ない」というデータもあるということだ。これはストレスによるものらしい。

つまり働くに当たって、皆何がしかのストレスにさらされているということだ。どんなに優秀な人でもすべて思う通りに行くなんてことはあり得ない。ここはひとつ、目先の結果に一喜一憂するのでなく、長い目で見てどうなのかと考えるようにした方が良いということなのか。やはりたまにはゆっくりと風呂に入って早めに寝るに限る。そんなとりとめもないことを考えている。もうあんなに暑かった夏も終わり季節は確実に過ぎようとしている。天高く馬肥ゆる秋、食べ物がおいしい季節だ。