SNSで顧客への導線を確保

前回、SEOについて話をしたが、顧客をWebぺージへ導入促進を図るのは、何もWebぺージ上における対策だけで終わりではない。SNSを広く利用することによって、そこから顧客を自社のWebぺージへ引っ張ってくることもできる。

今日、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でもいろいろなものが出てきている。TwitterやFacebook、Instagram、Lineなど、企業側と消費者側が双方向でコミュニケーションできる様々な手段がある。これらを利用することで企業に関心を持ってもらい、Webぺージを見てもらうことにつなげるのだ。

上記のSNSでは、企業が投げかけた情報に対して、その読者から「いいね!」や「シェア」「コメント」「リツイート」「お気に入り」などによって反応が良いことを「エンゲージメント率が高い」という。企業はこのターゲットとする顧客からの反応によって、消費者の気分やニーズ、そして世の中の流行などを知ることができる。また、コメントなどを寄せてくれた読者に対して、企業側が返事を書いたり、話しかけたりすることで、相互コミュニケーションが生まれ、信頼関係の構築やファン作りが成される。こうして関心を持ってもらった人が最終的に企業を知るための拠り所になるのがWebぺージになる。

相互コミュニケーションでロイヤルカスタマーを育てる

SNSでは相互コミュニケーションを重んじることが、ブランドに忠実なロイヤルカスタマ―を育てることにつながる。また、率直な感想や反応を分析することで、商品サービスの開発や改善にも役立てることができる。そのためにも、これらSNSの利用では、消費者が主体的に企業に働きかけることができる利点を、マーケティング施策にいかに取り入れるかがカギになる。

SNSの普及はスマホの普及とセットになって加速度を増してきている。誰かがふと投稿したひと言や写真が瞬時にネット上を駆け回り、世間を騒がすことがよくニュースでも取り上げられるようになってきた。

これをマーケティングとして企業にとって良い方向に持っていこうという様々な取り組みが試されている。マーケティング業界で、ターゲットの顧客に「気付き」を与えるのに最も信頼性が高いとされているのが「口コミ」だ。「友だちの○○さんが良いと言っていた」などの自分が知っている人からの情報は、見ず知らずの人からの情報より格段に信頼できるため、「最高の気付き」と成りえる。

SNSで気付きを与える

だから、このSNSでは、友人から友人に気付きを与えることを大前提として戦略や戦術を考えていくことになる。この気付きを与えるためには、テキスト(文章)だけより、写真や動画などのコンテンツが有効になる。写真や動画の方が、多くの情報を直感的に伝えることができるので、それだけ情報が届きやすいということにもなる。そして、SNSの大きな魅力もこれらのコンテンツが扱えるということにある。

実際、FacebookやTwitterでシェアされるコンテンツの第1位が写真、第2位が写真やグラフィック付きのニュース記事、第3位が動画となっており、そのことを証明している。だから作る時も、これら写真やグラフィック、動画に重点を置くことが求められるようになってきている。

しかし、こうしたSNSの利用と効果について、きっちりとして管理ができている企業はまだまだ少数に留まっているようだ。大手企業を相手にしたアンケートでも「売上や利益など最終的な収益と直結した指標を持っている」とする企業はまだほんの一部でしかない。

スターバックスは新商品の写真をネットで拡散

SNSを利用しながらブランドイメージを保っている企業の一つがスターバックスだと言われる。スターバックスは特に新商品がネット上で拡散されることも多く、顧客が写真を載せることも多いのが特徴とされる。新商品がTwitterなどで話題になると、初日の売上は予想の2~3倍になるケースも少なくないそうだ。アカウント自体に担当者のメッセージなどはほとんどなく、その代わりに写真や動画の質は高く、スターバックスのブランドイメージを損なうことなく、上手に顧客との接点を保っている。

私はどうかと言えば、他のほとんどの企業と同じく、とりあえずFacebookやTwitterのアカウントを開設して、Facebookページを何とか作ってみたというところにいる。今も思考錯誤が続いている。だから本来ここで偉そうなことを言えた義理ではないのだが、見たところほとんどの企業でも似たような状態と思われる。当初は何とか早急に軌道に乗せて、顧客からの反応を伺いながら、それをWebぺージにも反映させて良い循環を作っていきたいと考えていたのだが、今はまったくそんなところに及ぶすべもない。何がいけないのか、その反省を込めながら次回に紹介していくことにする。