集客とは…

特に起業したての頃はWebサイトを集客の目玉に考えている経営者は多いかもしれない。「集客」という言葉は抽象的なので、それを聞いてイメージするのは人それぞれだろうが、ひょっとしたら、Webサイトでいきなり「商売につなげたい」という想いをイメージしている人も中にはいるかもしれない。営業が苦手という人であればあるほど、何とかWebサイトでそれを肩代わりさせることはできないだろうかという期待がそう思わせるのかもしれない。しかし、ハッキリ言って、そんな都合の良いものなどあるはずがない。

この言葉に限らないが、一般に言葉の定義があいまいだと、どんな行動をとればいいのかあやふやになってしまい、適切な行動につながらない恐れが出てくる。だから、まずこの「集客」という言葉の定義をしておかねばならないのだが、Webサイトに関してのそれは、優良な見込み客を集めること、その見込み客との関係性を構築すること、そして、できれば見込み客を目の前に連れてくる(あるいは見込み客のところへ訪問する)ことの3つが必要なのではないだろうか。

見込み客のメールアドレスを知る

これらを順番に見ていくと、まずは「優良な見込み客を集める」ことだが、これは例えば、ダイレクトメールを送る時のことを思い描くと理解しやすいのではないか。ダイレクトメールを送ろうと思えば、具体的な送付先の法人であれば会社名や部署名、担当者名、住所、電話番号などが該当する。つまり、メッセージを届けたい相手を特定する情報が必要になる。

いろいろなWebサイトを拝見しても、この見込み客の情報をリストとして整備しようとする仕掛けが見えないものが多いことに気が付く。既存客のリストは当然あっても、見込み客のリストまでは手が回らないのかもしれない。しかし、見込み客をリストとして保有することは事業を拡大する上でとても大切なのは言うまでもない。インターネットを使っての情報のやり取りを行う場合なら、必要になるのはメールアドレスであったり、ソーシャルメディアのつながりなどが該当する。こういった情報を集める工夫が求められるところだ。

ソーシャルメディアで信頼を得る

ちなみにソーシャルメディアとはfacebook、twitter、インスタグラム、you tubeなどを指す。Webサイト上では基本的に見込み客との対話はできない。ソーシャルメディアを利用するのは、この対話をコメントなどの機能を利用して行うところにある。ソーシャルメディアでは自由に情報発信することができ、特に以前はリアルの世界でしか起こらなかった口コミが、インターネト上でも生まれるようになっている。逆に炎上することもあるので注意をしなければいけないが、これをビジネスの観点で捉えると、自分が頑張って情報発信する以外にも、自分以外の人にも自分のことを発信してもらうことができるということだ。その結果、爆発的な情報の広がりが期待できるようになる。

今やどんな商売であっても、信頼を得ることが大切なことは常識になっている。この信頼をインターネット上で獲得するために、口コミを用いることが必要になる。自分で自分が信用できると言っても、これほど信用できないものはない。そうではなく、自分を知っている人から「この人(企業)は信用できます」ということを言ってもらうようにすることが求められる。このためにも、次の関係作りが大切になってくるのだ。

「教わる」「教える」関係作り

見込み客のリストを集めることができたなら、次に、そのリストにある法人や個人との「関係性を構築する」取り組みが必要になる。多くの場合、それは互いに「教わる」「教える」という関係を作ることにつながる。そのためには、Webを活用し、積極的な情報提供を行っていくことが大切になってくる。

かつて私の通っている歯医者でもこんなことがあった。それまでは歯が痛む度ごとに、家の近所の歯医者に行ったり、職場が変わるごとに事務所の近くのところを利用したりと、異なる歯医者を利用していたのだが、今通っている歯医者は、歯の治療中や治療後に、歯の健康のことや歯をきっかけにした病気のことなど、いろいろな情報を提供してくれる。そうなると不思議なもので、歯が悪くなると、自然にその先生のところへ通うようになって、通う歯医者が決まってきた。

これと同じ関係をWebを利用することで構築していくのだ。Webを活用することで、時間と距離の制約を越えて、関係性を構築することができる。効果があるのは、流す情報に専門性はもちろんだが、そこに人間性(企業の場合は大切にしている企業理念やビジョンなど)を加えることだろう。これらをバランスよく発信することが大切になってくる。

最後は実際に会って契約

そして、見込み客との関係性を構築できたら、次に必要なのが、「実際に目の前に見込み客を連れてくる(あるいは見込み客のところへ訪問する)」という流れになる。実際に会うまでにWeb上で関係性を構築しているので、営業が苦手だと思う人でも、契約を取ることのできるハードルは低くなっているはずだ。理想を言えば、会う前にもう「あなたのところでお願いしたいと思っている」という状態を作っておけるようにしておくことだろう。

Web上で顧客の商品やサービスの購買の流れが一貫するのであれば楽だろうが、例えばアマゾンや楽天に自社商品を販売するような場合は別として、なかなか自社のWebから顧客と契約を交わすのは難しいだろう。「Webは万能ではない」ということを重々心掛けておかねばならない。あくまで、Web上では関係性の構築を主に狙い、実際に会うまでの流れを自然に作る仕掛けにする必要が出てくるのだ。

以上3つ、優良な見込み客を集めること、その見込み客との関係性を構築すること、そして、できれば見込み客を目の前に連れてくる(あるいは見込み客のところへ訪問する)ことの流れを考え、Webサイトやソーシャルメディアの連携を図ることをお勧めする次第だ。