人の働きの大切さ

企業経営において人の問題は最も大きな課題だ。企業が社会的な存在として認められるのは、人の働きがあるからだ。もし人の働きはどうでもいい、投資した資金の効率だけが気になるという経営者がいたとしたら、そんな経営者は経営を止めた方がいい。何らかの事業を行う以上、社員の働きをもって社会に貢献するものでなければ、企業自体、その社会に存在する意味がないからだ。

「サービスが先、利益は後」という言葉があるが、その意味するところは利益が要らないと言っているわけではない。先に利益のことを考えることを止め、まず良いサービスを提供することに懸命の努力をすれば、結果として利益は必ずついてくるということだ。利益の事ばかり考えていると、サービスはほどほどでよいと思うようになり、サービスの差別化ができない。その結果、収入は増えず、利益はいつまでたっても出ないということの繰り返しに陥ってしまう。どちらを先に考えるかで、結果は良くもなり、悪くもなる。経営は常にトレードオフの問題があって、どちらをとるかを考えるのが経営者の大きな責任だ。

人でなければできないことがたくさんある

物事には何でもメリットとデメリットの両面がある。人の問題でもそうだ。人員が増えると人件費が増えるといって警戒する経営者は多い。それは人のデメリットに立った考え方だ。経営の健全化とか経営のリストラというと、社員の削減が施策の中心になることが多いが、そのことにアナリストたちは評価を与えても、そこに懐疑的な目で見る経営者たちもまた多くいる。

人が増えると人件費が増えるというデメリットだけを見るのは片手落ちで、その前に生産性が上がる、収入が増えるというメリットが必ずあることを忘れている。むろん、これらのメリットがないというのであれば、人など増やす必要もない。だが、そもそも人件費が増えるのは嫌だといって人を増やさなかったら、企業の活力は失われてしまうばかりだ。

企業はなぜ人を雇うのかと考えれば、それは製造とか販売とか、企業が本来やるべき業務を遂行するためだ。そこで社員にはものを作ったり、売ったりする能力を発揮することが求められる。最近は機械やロボットでこうした作業を行わせることも多いが、人でなければできないこと、人でやる方が良いことはたくさんある。企業の生産性を高め、能力を発揮するのが、人が働くことの最大のメリットであり、それが人の問題の中心でなければならない。

社員を雇う大きな責任

同じ企業家でも、自分一人だけで事業を行う時から、自分以外に一人でも社員を雇い入れる時に移行する場合、そこに企業としても経営者としても大きな飛躍がある。社員を一人でも雇い入れると、その社員の背後にはひょっとしたら家族がいるのかも知れず、自分一人だけで行う時とは違って、そこに事業に対する責任が各段に重くなるからだ。それを嫌がって、社員を雇い入れない形を選んでいる経営者は多い。私の周囲を見ると、「前職で人づきあいで苦労をしたので、決して社員は雇わない」というのも多い。

自分一人でやりたいことをやれるのならそれもいいのかも知れない。しかし、少しでも今より企業を良くしたい、利益も出したい、顧客から評価もされたいと思うなら、他人の力も借りる方がずっと合理的だ。「今のままでいい」という考えは、今のままに留まることさえ難しい、そんな時代だ。自分や企業はそのままでも、周囲の環境の変化が激しいので、結局いつの間にか時代に取り残され、衰退するしかなくなる。繁栄か衰退かいずれかの方策を選択するのが経営者の力量に依るのだとすれば、経営者はもっと目を開いて前向きに取り組んでいかねばならない。

経営者の器

逆に、多くの社員を雇っているから、税金を支払っているから、それでももう企業の社会的な責任は果たしていると考える経営者も時々見かける。何だか、社員を雇うことや、税金を支払うことが、仕方のないことであるかのように思っているようだ。こんな経営者はまるで自分が一方的に社会の犠牲になっていると言わんばかりだ。ご自身がどれだけ社会から恩恵を受けているのかを、すっかり見失っている。口にこそ出さないが、そんな会社で働いている社員こそ、可哀そうだと思う。

「経営者の器以上に企業は大きくならない」という。その言葉を経営者は常に謙虚に受け止めなければならない。「今の成長の限界を作っているのが、ほかならぬ自分ではないか」と。そして、そのために自分自身を研磨する方法を持っておくことだ。それが読書であったり、研修会に参加することであったり、道場に通うことであったり、何でもよいが、決して忙しさを口実にサボらないことだ。それができないのなら、経営者なんて始めからならなければいい。自分だけならまだしも、社員を不幸にするだけだ。

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