皆様は「サイレントクレーマー」という言葉を聞いたことがございますでしょうか。
私の中でクレームと聞くと、何か直接的に苦情を仰ってこられるイメージがありました。
しかしある統計によると、何か不満を感じた時に実際に苦情を仰ってこられる方は全体の1割、何も言わずそのまま去る人が9割を占めると言われております。
サイレントクレーマーは、名前の通り“静かなクレーム”を意味しておりますが、直接企業やお店に言う代わりに、友達や家族、SNSを使ってクレームを言う方々のことを指します。また結果、そのクレームは平均で約17人に伝わると分析されています。
私もどちらかというと何か不満があっても直接言わず、心の中で「もう利用しないな」と思って去るタイプでした。SNSやサイトに口コミを載せたこともなかったので、自分ではクレーマーではないと思っていましたが、利用したお店の良い事も悪い事も友達や家族と共有することもあるので、まさに私も典型的なサイレントクレーマーでした。

私が以前ホテルに勤めていた頃、アンケートを実施していたのですが、クレームが全く無い日でもお客様からご不満のアンケートをいただく事がございました。クレームが無い事は良い事だと思っていましたが、今思い返してみるとこういった事だったのだなと思いました。
当時、お客様から頂いたご意見やクレームはその都度共有し、改善に努めておりましたが、こういったケースを減らしていく為に”ヒヤリハット“の共有をしておりました。
ヒヤリハットとは、大きな事故・クレームには至らないものの、アクシデントやミスでヒヤッとした出来事の事を指し、お客様からのご意見とは別にスタッフ同士で日々感じた事、実際に起きた事を報告しておりました。それまではお客様から意見を頂いてから改善に努めていたのですが、実際にアクシデントに至りそうな出来事からクレームを未然に防ぐことが出来たり、スタッフ間でも意見があったのですが、私自身もより注意深く周りを観察できるようになったと感じました。

『何かが起きてから』や『相手から言われてから』、改善する事はもちろん必要な事だといえます。しかし、1つのクレームの背景には29の言わないクレームが隠れていると言われているように、いかに早くお客様の気持ちに気付く事が大切だと思いました。
入社当時と違い、今は先輩が常に自分の対応を確認してくれているわけではないので、日々自分の対応について、録音を聞いた際や、対応後に出来るだけ振り返るように努めております。多忙時は、つい目の前の業務に追われてしまいがちですが、今一度、声にならないクレームがある事を肝に銘じて、今後も業務に努めてまいります。