未来にときめく

街中の書店に入ると新しい年の手帳が目につく季節になってきた。最近では手帳も年間を通じて売っているのかもしれないが、やっぱりこの時期の手帳売り場の活況は特別だ。私が目にした時も男性、女性が入り混じって、思い思いのものを手に取っていた。見てみると本当にいろいろな種類が並んでいる。手帳にもはやりすたりがあるのだろうか。でも新しい手帳を手にするとき、それがどんな種類のものであれ、誰もが何だか楽しそうだ。これからの未知のスケジュールを想って、ワクワクしているのかもしれない。

私は自分自身のことを特にこだわる性格ではないと思っているのだが、手帳だけは別だ。まず年間、月間、週間のスケジュールが見渡せるものがないものはダメだ。それに今年はすでに一日の時間ができるだけ朝は早い時間から、夜は遅い時間まで書き込めるものを選んだ。サラリーマンを辞めて自営業をしているのだが、特に自営業になってからは朝の起床時間が3時とか4時とかに早くなっているからだ。年齢のせいでもあるが、早朝はいちいちメールなどに惑わされなくて仕事がはかどるのだ。

自分がしたいことを手帳に

これまでの手帳の使い方なら、朝の3時に起きようが、4時に起きようが、手帳は例えば8時ごろから書き込めるようになっていればそれでよかった。朝の3時や4時にアポイントが入ることはまずなかったからだ。でも来年からは手帳の使い方を変えようと一大決心をした。どう変えるかというと、自分のしたいこと、しなければならないことを中心に書き込んでいくのだ。仮に朝の3時に起きれば、7時までには4時間も時間がある。その時間帯に何をするかを考えるのは楽しい。

なぜ、そんな風に使い方を変えたかというと、毎年の手帳は外部から入ってくるアポイントの管理が主体になっていて、終わって見れば「忙しかった」という思いは残っていても、充実感はなかったからだ。外部の状況に振り回されているだけで、自分がしたいこと、しなければならないことが二の次になっていたことに、やっとこの年で気が付いた。「今さら何を」と思われる方も多いに違いないが、私にとってこのことはちょっと大げさになるが、革命に近い発想の転換だと気に入っている。

時間管理は自分が主人公

実はこの手帳の使い方は自分で気付いたのではない。私の知り合いに、昔、ダブル、トリプルブッキングは当たり前、いつもギリギリの行動で遅刻魔、ダラダラ仕事、大好きな旅行にもいけない日々を送っていたものがいたが、先日久し振りに会ったところ、ガラリと生活が変わっていた。毎月の目標をクリアし、仕事や生活に充実しているような雰囲気を漂わせていた。その者からの受け売りだ。何だかそのものと話しをしていると、依然として変わらない自分が惨めに思えてきた。

だから、以下のこともその知り合いのものから教わったことだ。一日は1440分しかない。これをどう使うかで夢がかなうかどうかが決まる。夢をかなえるポイントは一つ。それは「夢に優先順位をつけて、それをいつ達成するかを決める」ことだという。そのための手帳にするのだ。それが分かったら、手帳を使うことで悪い習慣にも気付き、良い習慣に変えていくことができる。くれぐれも、お金は増やすことはできても、時間は増やすことはできないことを思い、時間の管理を他人任せにするのでなく、自分自身を主人公にしていかねばならない。

少しの差が大きな夢を実現する

「今更」と思わないでもないが、それでも例えば5年後を見据えた時、「これまで通りいつもの1日の過ごし方、1週間の過ごし方をし続けたら、どうなっているか」に対して、「理想の1日の過ごし方、理想の1週間の過ごし方をし続けたら、どうなっているか」を考えてみた時、やはり少しでも理想に近づけておかないとという危機感に襲われる。(間違っているかもしれないが)似たような話で、東京からパリに向かう時、方向が1度狂うだけで、着くのがパリではなくバグダッドになってしまう、という話があったのも覚えている。

それが分かっているなら、来年まで待つ必要はない。今からでもできることはしておこうと考えた。年内にこれをしておけば、充実した年だったと思えるようなことを列挙して、それを手帳のスケジュールに落とし込んでいっている。もちろん、それらを実現する日付を決める際には、それに要する時間を十分に考えて確保している。これが本当に実現するか。いつまで続くのかという不安はあるが、少なくとも今はその実現に向かっているという気持ちでしんどくても楽しい日々を送っている。