情報洪水時代を生きる

世の中に存在するデータ量はこの10年間で530倍になったと言われる。これはインターネットの普及によるものだ。誰もが情報の発信者として利用できることから、ビジネス書1冊程度だった情報量が、10年で本棚が3~4架分にまで増えてしまったことになる。とんでもない情報洪水の時代だ。

こうした情報の洪水が私たちの生活を駆け抜けている。この結果、ほとんどの情報が無視されるようになっている。そうでもしない限り、いちいち目にして立ち止まっていては生活などできない。誰にも気づかれず、ただ通り過ぎていく言葉。朝刊に挟まれている折り込み広告が、一瞥もされずに古新聞の山に捨てられるのと同じだ。

同じことでも工夫次第で伝わる

そんな中で、私たちは言葉により強いインパクトを与えて注目を集めようとして、企画書やチラシ、メールやブログを作ろうとしている。そんな時に参考になるのは、テレビを賑わしているお笑い芸人たちの言葉の使い方だったりする。注意して聞いていると、人気のある芸人たちほど、同じことでも面白く伝わるように工夫をしていることが分かる。

まず、伝える内容は知識をひけらかすのではなく、自分自身の体験に基づいたものにしていることだ。そのため、伝える内容が赤裸々なものになり相手の心にグッとくるものになる。「あなたが好き」と言われるより、「どうしようもなくあなたが好き」、「毎日気が狂いそうなほどあなたが好き」と言われた方が、話し手の気持ちがストレートに伝わる。

タメを作ることも効果的

また、言いたいことの前にタメを作ることもインパクトを強くする。ちょっと古い例で恐縮だが、オバマ大統領は就任演説で、「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ」と言った。オバマ大統領は「これはあなたの勝利だ」ということを言いたかったのだが、あえて、「私の勝利ではない」というタメを作って人々に感動を与えた。

「誰が敵になっても、私はあなたの味方です」という言い方も同じだ。これなども伝えたいことをそのまま言い放つのではなく、その逆を前置きに使ってギャップを大きくすることで感動を大きくしている。「三ツ星レストランもまずく感じるほど、この店の定食は最高です」などと広告宣伝にも利用できそうだ。

人の集中力を高める仕掛け

人の集中力は20分が限度とも言われている。会議などで「眠くなるのはやる気がないからだ」と精神論を掲げても意味はない。だから、セミナーや会議の後半になると、「これだけは覚えておいて欲しいのですが、…」などと話したりする。もう一度、聞き手の注意力を引き寄せるためだ。そのほか、「ここだけの話ですが」とか「誰にも言わないで欲しいのですが」といった言葉も効果がある。

こうした技術を使えば、嘘やオーバートークにならずに伝えたいことを多くの人に伝えることができる。情報洪水時代に生き残るためには、こうした技術はますます必要になるのではないだろうか。