1分間でプレゼンできますか

あなたは1分間程度の短い時間で、今携わっている仕事の重要なポイントをうまく人に伝えることができるだろうか。これを米国ではエレベーター・ピッチと呼ぶそうだ。

要するに、エレベーターに乗っている間ぐらいの短時間に、簡潔明瞭な売り込みのプレゼンをするテクニックのことだそうだ。

何故、そんなことが必要なのか。もちろん、会議や産業見本市、それにレセプションなどの集まりで見込み客に出会ったときにすぐに使えるから、というのはある。

しかし、それ以上に、自分の携わっている仕事の本質を明確にして、それをしっかりつかむというところに意義がある。それができていないと短時間に人に伝えることなどできない。

普段からの準備が大切

随分以前の話にはなるが、空港でかつての取引先の相手にばったり出くわしたことがあった。
挨拶を交わした後、彼は私が今何をしているのかを尋ねてきた。私はいったいどこから始めるべきかと考えをまとめようとしている間に、彼のフライトの時間が告げられ、すぐに別れの挨拶をすることになってしまった。

私がもっとしっかり普段から考えをまとめていれば、彼はもう少し長く留まっていたかも知れず、そうしたら新しい取引関係も築けたかも知れない。

「抜け目がない」「強引」という印象もあるかもしれないが、時間を大切にする米国のビジネスマンの考えに納得もしている。

相手にとってのメリットを強調する

私は特に口が立つわけでもない。むしろ、しゃべり方などは朴訥とした方だと自覚している。自覚しているからこそ、普段意識してこうした準備をしなければならないと感じている。

しかし、どうしてもそれは「パッケージ化された売り込み」と、とられかねない響きも持つものだ。だから、相手にもたらすメリットを強調する必要がある。

また、その場ですぐに取り引きを成立させようともしないことは大切だ。将来何らかのコンタクトを持つことを相手に約束してもらうことができれば、それで良しとしなければならない。

後日ゆっくりと、その見込み客の求めているものと、それに合ったスキルが自分たちにあるかどうかを評価しても良いだろう。

予期せぬ出来事はいつでも起こりうる

先日はこんなことがあった。
見込み客から新規の企画のプレゼンテーションの機会をもらったので、何時間もかけて企画書を入念に準備して先方のオフィスに伺った。

しかし、そこでまず言われたのは、「申し訳ないが、急用が入ったのですぐに出かけなければならない。プレゼンは次の機会にして欲しい」。

ここで引き下がっては、いつ次の機会が巡ってくるか分からない。
そこでちょっと強引に、「では、廊下に出るまでの間に、この提案の要旨だけを説明させてください」とお願いした。こうした予期せぬ出来事はいつでも起こりうることだ。

それに、どんな素晴らしいアイデアでも要点を短く凝縮できなければ、重要なポイントは伝わらないことを改めて感じた。