その疲れは自己満足ではないですか

私の友人で住宅リフォーム会社の2代目社長がいる。彼はとても誠実な男で、それが本人も意識する会社のウリになっている。

お客からのどんな要望も大概のことは聞き入れているようだ。お客のわがままに対応するだけでなく、逆提案もしているという。そうした姿勢が評価されてかお客を紹介されることも多いようで、毎日車で走り回っている。

彼の会社は本社を大阪に構えており、営業エリアは特に絞っているわけでもなく、「呼ばれればどこへでも行く」と鼻息は荒い。
その彼が「昨日は○○㎞車で走った。今日は○○㎞。これだとこの1週間で過去最高の走行距離になりそう」と、走り回ることに充実を感じている様子だ。

営業は効率良く

しかし少ない人数で営業エリアを広げると、それだけ特定のエリアでの営業力は落ちることになる。
車で移動する時間も大変なものになるだろう。下手をすれば一日の大半は車の中ということだってあるかもしれない。

それで体は適度に(?)疲れて、仕事に対する充実感は得られても、その間は売り上げにはまったく寄与していないことになる。
言うまでもなく営業はお客に会うことが仕事なのであって、本来、それ以外の社内会議や先の移動時間などは少なければ少ないほど良い。

例えば、移動時間で言えば一般的にはメーカーで50%、卸売業で40%、業務用の販売業では35%当たりが最大とされていると聞く。
1回の取引が小さな業種では、30%以下に抑えないと採算を取るのが難しくなる。

絞って徐々に広げる

移動は新規の顧客開拓の時だけでなく、納品、集金、アフターサービスと事あるごとに発生する。とにかく移動コストほど高くつくものはないと知るべきだ。

そういえば、優秀な工場は作業員が構内を移動する時間を少なくて済むように工夫されている。無駄を排除するようになっているのだ。
営業エリアを絞ることは、最初は抵抗があるかもしれない。しかし、絞り込んだあるエリアに営業を集中して徹底し、それができれば次のエリアに当たっていけば良い。

コンビニのセブンイレブンもドミナント戦略を徐々に進めていって、今では日本全国をカバーするに至ったではないか。

地方がお勧め

絞る時にありがちなのが、人口の多いところ、大都市及びその周辺といったエリアに目を付けるのだが、なかなか地方だって捨てたものじゃない。

第一、人口が多いところに後から入っていっても、そこには競合他社がわんさかひしめき合っているのが常だ。その点、地方でならまだまだ参入余地もあるかもしれない。


この原稿を書きながら、私自身「最近仕事はどう?」と聞かれて、「バタバタするだけでまったく儲かりません」と答えることが多いのに気付いた。
私の場合、儲からないのは他にも原因がありそうだが、やはり営業も絞り切れていない現実がある。言うは易しだが、これを機にまた一から営業を見直していこうとも考えている。