夜間に仕事のメール打ってませんか

私は自分の携帯電話が鳴ったり振動したりしていないのに、つい電話やメールをチェックすることが時々ある。
友人に話すとその友人もまたあるという。

調べてみるとそんな状態のことを「ファントムリング」と言うそうだ。
ひどくなると、常に電話に出たり携帯メールを打ったりしていないと、孤立していると感じるそうだ。
これも一種の依存症だ。

テクノロジーの進化によって、今や仕事と生活の境界がすっかり消滅してしまっている。
勤務外であっても、たとえ夜間であってもメールを打ったり、受信チェックをして仕事を片付けている。

仕事に効率的だと考えてしているわけだが、「本当にそのメールは明朝ではいけないのか」と問われると自信がない。

衝動と闘う

誰かが「そのほとんどは翌日や月曜日まで放置しておけるものだ」と指摘していた。

すべてのメールに返信したいという衝動と闘わなければ、ひとたびすぐに返信し始めると、同僚やクライアントまでが、こちらがいつも待機しているものと期待するようになる。
そして、それは周囲を巻き込み、ドミノ効果のように他の皆も返信しなくてはいけなくなる。

結局、一日24時間、週7日職場に縛られているのと同じになってしまう。

働き方改革で労働時間云々を問題にする時、今の時代、単に職場に顔を出している時間だけを言うのではなく、そうしたテクノロジーの使い方まで考えないと片手落ちになる。

テクノロジーそのものが生産性を高めるわけではないのだ。

心得違いの勤勉さ

欧米の企業では「セブン・ツー・セブン」ルールを採用しているところがあるという。
そこでは午前7時までと午後7時以降はメールのやり取りをしないよう、強く求められる。

その背景には、私たちがネットに常時接続して、「重要」なことを見逃さないようにすることで頭が一杯になっていることがあると言われる。
いわゆる「デジタル・バーンアウト」状態になっていると言うのだ。

心得違いの勤勉さから働き過ぎる人は、結局は達成する成果が低下するものだ。
当たり前のことだが、人は時々休んで英気を養わなければならない。

テクノロジーと上手に付き合う

私には関係ない話だが、インターネットによるコミュニケーションの送受信を完全にシャットアウトした高級リゾート地で休暇を過ごすエグゼクティブもいる。
料金はかなり高いそうだが、電話やテレビさえないところもあり、それらは「ブラックホール・リゾート」と呼ばれているそうだ。

コンピューターやそのほかの電子機器を長時間切った状態にすることを「断食」に例えたりもする。

そこまで行かなくても、ワーク・ライフバランスを考えるなら、テクノロジーと個人の生活のバランスも考えなければならない時代だ。
言ってみれば「テック・ライフバランス」。今後、テクノロジーと上手に付き合う生き方はますます大切になってきそうだ。