デートの誘い方

 
好きな相手をデートに誘う時ほど頭を使うことはなかったように思う。

いきなり「僕とデートしませんか」ではちょっと断られるリスクが大き過ぎる。
ここはやはり、相手の求めるものを考えて(手段としては姑息と罵られようが)、「おいしいパスタの店を知っているんだけど一緒にいかない?」とか「面白い映画のチケットがあるんだけど良かったら一緒に見ない?」とか考えるものだ。

要は、自分の本当の思いを表に出さずに、相手の好みを考えて、自分の提案に乗ることで相手にメリットがあるように考えることだ。

相手にイエスと言ってもらえれば、相手が何に興味を持ったのかは関係なく、ひとまずデートにはたどり着けたことになる。

相手の立場に立つ

仕事でも同じだ。

「こんな商品ができました」「こんな新しいサービスを考えています」といった広告を良く見かけるが、商品やサービス自体が不足していたひと昔前とは異なり、今はそれだけでそれぞれ売る側の主張が消費者に響くことはない。

言うまでもなく、情報は受け手に受け入れられてこそ、初めて意味を持つ。

SNSで個人の情報発信力が求められている時代と言われるが、「情報洪水」と言われる時代、一方的な発信はうるさいだけに終わる。
むしろ、マイナスになる恐れもある。


早い話が、駅前で配るチラシだ。チラシを配ろうとしても、今は余程関心をもたらさない限り、それを手にする人はまれだ。

伝え方に工夫を

「消費者ニーズに基づく商品開発」とはよく言われる。
しかし、開発段階では心していても、往々にしてその情報の伝え方には無頓着だったりする。

せっかく消費者の立場に立って商品開発をしても、これでもかといった感じで商品の特徴を話されるだけでは、さっぱり消費者に伝わらない。
ここは商品開発で消費者の目を意識したように、それを伝える時にも消費者の目を意識してもらいたいと思う。

例えば、「業界で最小」というより「手のひらサイズで初めて○○することができた」、「最短の時間」というより「○○の間にできる」といったような、それを使う人の立場を考えたメリットを訴える方が情報を受け入れられ易い時代だ。

人生も変える

人は一日に平均して22回、周囲にお願いをしていると言われている。

もちろん、「イエス」と言われることもあれば、「ノー」と言われることもある。
この中の1つでも、「ノー」を「イエス」に変えることができれば、1年に365回の「ノー」を「イエス」にできる。

伝え方に工夫をすることは、商品やサービスだけでなく人生にも変化を与えるのだ。

もっと伝え方を考えてみましょう。デートで相手を誘うように。

これまでの慣習に囚われているだけではせっかくの機会も成果が期待できない。
その上で強く訴えることのできる方法を身に着けることができれば、効果も大きくなる。

何も特別な技術を要するわけでもなく、考え方の問題のように思える。