早いものでもう11月ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は疲れをとり、健康的になれるような入浴についてお話ししたいと思います。

一日の仕事をすませたあとの入浴は、その日の疲れを回復させ、明日への英気を養ってくれます。
しかし、入浴の仕方をひとつ間違えると、かえって疲労をためてしまったり、病気に悪影響をおよぼすことにもなりかねません。
上手に疲労を回復し、病気の改善にも効果があり、健康増進に役立つ入浴法についてお話します。

入浴の効果としては、次の4つが考えられます。
(1) 皮膚の汚れをきれいにする
(2) 温熱刺激によって身体機能を高める
(3) 水の圧力を利用して呼吸機能などを高める
(4) 浮力と水の抵抗を利用して足腰の強化に役立つ

・肉体疲労には熱い湯、精神疲労にはぬるい湯
体の疲れを回復するには熱めのお湯に入るのがいいと昔から言われていますが、このことは実験でも明らかにされています。
お風呂の温度をかえて入浴させ、体にたまっている疲労物質の乳酸が減っていく時間を調べると、43-44度くらいがいちばん早く処理されることがわかりました。肉体労働をしたとか、長距離を歩いた等で、体が疲れた(筋肉疲労)ときには、43-44度くらいのやや熱めのお湯に入り、全身の血液循環がよくなるまで温まるのがいいのです。
ただし、血圧の高い人や心臓病のある人は、こうした熱い湯は危険だそうで、40度くらいのぬるめのお湯にゆっくり入ればよく、時間はかかりますが同様に疲労は回復します。

これに対して、精神的な疲れを回復させるには、40度くらいのぬるめのお湯で、ゆっくり温まるのが原則です。
私たちの体の働きは、交感神経と副交感神経という2つの自律神経で支配されていて、交感神経は心身を活動的にし、副交感神経は心身を休めてエネルギーを貯えるように働きます。
ぬるい湯に入ると、私たちの体は副交感神経が優位になりますから、心身ともに緊張がほぐれ、精神疲労も回復しやすくなるのです。

その昔、江戸っ子は朝湯で熱い湯に短時間つかって、仕事にとりかかっていたそうです。
これは、眠っているあいだ働いていた副交感神経を、昼間おもに働く交感神経に切り換える効果があり、心身を目覚めさせるのに役立っていたからだそうです。
現代でも、朝シャワーを浴びるときにはやや熱めの湯にして、心身をスッキリと目覚めさせると良さそうですね。

日々の体調や環境に合わせて、入浴方法を変えてみてはいかがでしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございました。

(参考HP:http://www.kohashi-clinic.com/column/column3_08.html)